静岡県は10月13日、リニア中央新幹線建設計画をめぐり、山梨県内でのトンネル工事を止める位置や時期に関わる計画案を示すよう求める文書を、JR東海に対し提出した。
「静岡県の川勝平太知事は、『山梨県で掘削が進むと、静岡県内の大井川の水資源に影響が生じる』と懸念を示しており、山梨県での工事計画についても、静岡県が設ける専門部会で協議を進める必要があると主張しました。
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これに対し、JR東海の金子慎社長は10月20日、山梨県での工事でトンネルから流れる水はほとんどないと、川勝知事の見解を否定しています。
川勝知事がリニア工事について注文をつけるのは、今回が初めてではありません。これまで、神奈川県内の工事についても一方的に批判を繰り返してきましたが、そのたびに他県の知事やJR東海などと衝突を繰り返してきました」(政治担当記者)
今回は、山梨県に対しての“異議申し立て”を発信した形になったが、これには山梨県の長崎幸太郎知事も、こう苦言を呈した。
「山梨県にひとことの連絡もなく、遺憾以外のなにものでもない。行政のやり方として、もう少し山梨県に対して礼を尽くすべき」
一貫して、リニア計画の静岡工区の着工に異を唱えている川勝知事。今回の強硬な姿勢には、猛烈な批判が集まっている。
《本当にもうあきれてものが言えませんね!あれだけ水の問題はそこまでの影響が無いと言われているのに(東京電力に既にかなりの量が流れてもいますし)まだそれについて今度は他県を非難する発言の連続で正直この方が知事であることが恥ずかしいを通り越してしまっています》
《この知事の嫌がらせは品が無い。子供喧嘩と同じです》
《川勝県知事、本当ふざけるなよ。今頃になって人の県の工事の事まで口出ししてくるなよ。しかも根拠も無い事でクレームつけるなんて一知事として有り得ない》
「ここまで批判が盛り上がってしまうのは、川勝知事の“暴言歴”も関係あるのかもしれません。今回は、言い方こそ荒っぽくなかったものの、かなり身勝手な発言です。この態度に、過去の問題発言を思い出す人もいるようです」(前出・政治担当記者)
川勝知事の“暴言歴”のなかでも、もっとも注目を集めたもののひとつが「コシヒカリ発言」だろう。2021年10月の、参院静岡選挙区での補欠選挙の応援演説で起きたものだった 。
「川勝知事が応援していた、無所属の山崎真之輔氏の対立候補が、御殿場市長を務めていたことに関連し、『あちらはコシヒカリしかない。だから飯だけ食って、それで農業だと思っている』などと発言しました。
選挙は山崎氏の勝利に終わりましたが、投票後にこの発言を知った御殿場市議会の議長は《あきらかに差別発言です!御殿場市も静岡県です!》と、SNS上で川勝知事への怒りをあらわにしました。批判は全国からも押し寄せ、地方選挙区の騒動でありながら、悪い意味で全国区のニュースとなってしまったのです。
それだけに、今回のリニア計画についての言及にも『またか』という感想を抱いてしまう人も多いようです」(前出・政治担当記者)
静岡工区の着工の遅れが原因で、リニア中央新幹線は開業の見通しが立っていない状況だ。リニアが日本を横断する日は、本当にやってくるのか。
( SmartFLASH )