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震災復興のための税金2000億円を防衛費へ転用案…SNSに吹き荒れる猛批判「ルールを守れ」「利権の温床」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.12.12 15:43 最終更新日:2022.12.12 15:56
12月11日、政府が防衛費増額の財源として、東日本大震災の復興予算に使われている「復興特別所得税」の一部を転用する案を検討していることがわかった。
岸田文雄首相は5年後の2027年度以降、1兆円強を増税でまかなう方針を示している。
復興特別所得税は、2011年の東日本大震災後に導入された。2013年1月から所得税額に2.1%を乗じた金額が追加課税されている。期間は2037年12月末までの25年間で、約7.5兆円を捻出する予定。2021年度の税収は約4400億円だった。今後、そのうちの半分、2000億円程度を防衛費に転用することが検討されているという。複数のメディアが報じた。
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転用に反対する立憲民主党の大串博志衆院議員は、同日、自身のTwitterにこう書きこんだ。
《やるなら復興税を下げて、別途防衛費のために所得税を上げさせて欲しいと、真正面から国民に問うべき》
NHK党の浜田聡参院議員も、12月12日、自身のTwitterでこう批判した。
《復興税の防衛費への転用が可能ということは復興税は不要であったということです。政府与党の税に関する説明はメチャクチャです。このように政府はチャンスがあればとにかく増税を試みるものです。そして国民負担率は上昇の一方です》
「復興税に関しては、ほかにも『復興特別住民税』として、2013年度から2023年度までの10年間、都道府県税と市町村税でそれぞれ年間500円、合計1000円が追加で徴収されています。
2023年度で終了しますが、2024年度からは同額の1000円が『森林環境税』が導入されることが決まっています。ただ、この森林環境税も、森林が少ない都市部にも交付されるなど、『税金が無駄になる』と批判の声があがっています。
道路整備などを目的とした自動車重量税は、2009年に道路特定財源が一般財源になったことで自動車業界が廃止を要求しましたが、いまも継続しています。消費税との二重課税と何度も批判された自動車取得税は、消費税10%への引き上げ時にやっと廃止されたものの、環境性能割として事実上、存続しているといえます」(政治担当記者)
「復興特別所得税」の防衛費への転用案が報じられると、SNSでは批判の声が多く上がった。
《こういうカネに色をつける行為は利権の温床にしかならない。増税を目的化するなよ》
《そもそも防衛費のために納めた覚えはない》
《ルール通りに税金支払ってるんだから、お前等もルールを守って被災地の復興にきちんと使ってくれよ》
《流用が酷すぎねえかい。自分等の財布のカネじゃねえんだぞ》
《一度取られたら課税の目的や根拠なんて関係ありません。全ての増税に反対しましょう》
一度確保した税収は根拠がなくなっても手放さない……これでは納税する国民が納得するはずがない。
( SmartFLASH )