12月16日、韓国メディア『聯合ニュース』が「北朝鮮は憲法上『韓国領土』 日本が反撃するには承認必要=韓国軍」と題する記事を掲載した。
記事は、日本が敵基地攻撃能力の保有を明記した安全保障関連3文書を閣議決定したことに対し、韓国軍の反応を書いたものだ。
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自国の領土を「朝鮮半島とその付属島嶼(とうしょ)」と明記した韓国憲法に基づき、北朝鮮は韓国の領土であり、「日本が戦力を北朝鮮を含む朝鮮半島地域に展開するためには必ずわが政府の承認が必要で、承認がなければならない」という軍関係者のコメントを紹介している。
SNSでの反響は大きく、Twitterでは「韓国領土」がトレンド入りした。
《では北朝鮮がミサイルを撃って来たら、韓国が撃って来たとみなしてよろしいということですね》
《その理屈なら、拉致問題もその他の犯罪行為や主権侵害の責任も『北韓』で起きたことの責任は全て韓国政府に問うことになるぞ》
《それなら、あんたんとこの領土からミサイル撃ちまくってるの、止めてくれ》
と、怒りの声が渦巻いており、さらには、
《北朝鮮からのミサイルは、韓国による攻撃として反撃すればなんの問題もないし、竹島の不法占拠だってそれ相応の反撃をしてもいいと思うんですよ。》
《自国の憲法に書いてあるから承認が必要と云うなら日本が固有の領土としてる竹島に上陸する際にも日本の承認が必要でしょ?厚顔無恥って言葉知らない?》
など、竹島の問題に触れた意見も多数ある。
韓国政府は12月16日、日本が閣議決定した国家安全保障戦略に竹島の領有権を明記したことに抗議。在韓日本大使館公使を国防部に呼び出し、削除を求めた。
韓国政府外交部は「日本政府は独島(編集部注・竹島のこと)に対する不当な主張を繰り返すことが、未来指向的な韓日関係の構築にいかなる面でも助けにもならないことを明確に自覚すべきだ」との報道官論評を発表している。
2022年5月、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が就任し、改善の兆しをみせてきた日韓関係。11月には、4年ぶりとなる日韓の国会議員有志によるサッカー親善試合がソウルで開かれた。
とはいえ、まだまだ「溝」は埋まりそうにない――。
( SmartFLASH )