「昔は、『40度の熱があろうが這ってでも出ろ』と、先輩議員から尻を叩かれたのが、国会の本会議。国会議員にとっては、絶対に出席しなければならない場とされてきました。
それを休めば、『政策や法案への賛否を示す』という、政治家としての最低限の義務を果たしていないことになりますからね」
そう語るのは、政治アナリストの伊藤惇夫氏。だが、そんな風潮も今は昔。本誌は、2022年1月から6月まで衆議院で33回、参議院で32回開かれた、第208回通常国会本会議における、国会議員の欠席回数を独自調査し、欠席理由を各議員に質問した。
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衆院、参院別に結果を見ていこう。
【衆議院】
1位 北村誠吾(自民) 欠席回数17回、出席率48.5%
2位 河野太郎(自民) 欠席回数6回、出席率81.8%
3位 江﨑鐵磨(自民) 欠席回数5回、出席率84.8%
【参議院】
1位 山崎正昭(自民) 欠席回数17回、出席率46.9%
2位 島村大(自民) 欠席回数9回、出席率71.9%
3位 伊波洋一(無所属)欠席回数7回、出席率78.1%
衆参ともに、ワースト1位の議員の欠席回数は17回で、出席率は50%を切った。参議院での欠席回数トップは、元参院議長の山崎正昭氏。
この結果をどう受け止めるか質問すると、「なんね!」「どう答えろっていうんや!」と、まさかの怒鳴り声で“逆ギレ回答”。しかし、そんな“恫喝議員”よりも気になる超大物がランクインしていた。
「衆院で、2位に河野太郎氏が入っているのには驚きました。11月の『毎日新聞』世論調査で『首相になってほしい人』第1位に輝いています。実際、党内でも菅義偉前首相と麻生太郎副総裁が推す、次期首相候補筆頭の一人。なのに、国会欠席回数の多さでも首位に迫るとは、どういうことなのか……」(政治部記者)
本誌は河野氏に欠席理由を尋ねたが、明確な回答は得られなかった。そこで、河野氏のSNSや過去の報道をもとに動向を探ると、欠席した前日の3月2日にワクチン接種を受けていたことがわかった。
同じく欠席した3月24日は、仙台市で街頭演説の後、SNS活用の広報セミナーに登壇、3月31日には、佐賀市でも同様の広報セミナーに登壇している。これらの日程を、河野氏は隠したい理由があるのか――。
河野氏をはじめ、欠席理由を明かさない議員の姿勢に、政治学者の菅原琢氏も首を傾げる。
「1票を付託している有権者からすれば、欠席理由を明かさないのは疑問に思って当然です。もちろん、コロナに感染したり、濃厚接触者になった、政務官などの職務の事情で本会議を欠席せざるを得ないというのなら話は別です。
しかしそうではないのなら、議会の議論をする場にいないということは、国会議員としての使命を蔑ろにしたと解されます。国会議員は自らの欠席について、しっかりと説明責任を果たすべきです」
首相の椅子が見えるはずの河野氏に思わぬ“汚点”が露呈した。