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岸田首相の “後出しジャンケン” にSNS憤慨…1兆円増税が決まったら「基金13兆円」発掘、コロナ対策で1.5倍に積み上げ

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.12.20 16:33 最終更新日:2022.12.20 16:33

岸田首相の “後出しジャンケン” にSNS憤慨…1兆円増税が決まったら「基金13兆円」発掘、コロナ対策で1.5倍に積み上げ

 

 12月18日、国が中長期的な政策の推進のために設け、複数年度にわたって財源を確保できる「基金」の2021年度末の残高が12兆9227億円に達したことが、政府の集計でわかった。

 

 共同通信によれば、新型コロナウイルス対策や経済安全保障の強化に向け、既存基金の積み増しや新設が相次ぎ、2020年度末の8兆3357億円から55%増加したという。基金の残高は、2017~2019年度末は2兆円台で推移してきたが、その後、残高が飛躍的に拡大している。

 

 

「国の基金には『グリーンイノベーション』『ワクチン生産体制強化』『特定半導体』などさまざまありますが、いずれも独立行政法人、公益法人、地方公共団体などが、国から交付された補助金等を原資として、企業などに支給や貸付をおこなうものです。

 

 予算の単年度主義にしばられず、重要な分野に柔軟に予算配分できる一方で、基金の管理・運営をいわば “丸投げ” することから、責任があいまいになる弊害もあります。

 

 日本経済新聞が2021年8月に報じたところでは、2014~19年度の基金事業は約200件に達し、そのうち3割が半分以上を使っておらず、過剰な積立額は約2兆6000億円にのぼっていたそうです。政府が基金を創設しながら予算を使いきれず、管理費ばかりが支出される杜撰なケースも相次いでいるのです」(政治担当記者)

 

 こうした指摘があったにもかかわらず、政府は2022年度第2次補正予算で、基金に計8兆9013億円を拠出。補正予算としては過去最大で、補正予算額の約3割にまで膨らんだ。

 

 立憲民主党蓮舫参院議員は、12月2日、自身のTwitterで、基金が拡大していくことをこう批判した。

 

《物価高で打撃を受ける家計や企業への支援のための補正予算は必要。が、あまりにも水膨れしすぎ。複数年度使える、ガバナンスが効かない、物価高への迅速な対策ではない基金に約9兆円。1億しか使わず申請が今年度末までの基金に更に1000億積み増す等々。この予算案には賛成できません》

 

 12月13日には、同じくTwitterで、防衛費増額のため増税をする前に、徹底した行政改革が必要と主張した。

 

《何度でも指摘します。先に成立した補正予算30兆円の1/3の9兆円は緊要ではない基金に積み増し。一昨年から去年は30兆円、去年から今年度には21兆円が使われずに繰越されています。せめて、増税の前の徹底した行革を行うのが筋。そして、規模ありきの防衛予算ではなく中身の議論からの予算提示を》

 

 岸田文雄首相が、防衛費増額のため毎年1兆円の増税を決めたあと、「後出しジャンケン」のように “発掘” された約13兆円もの基金。SNSでは岸田政権を批判する声が多くあがった。

 

《増税する必要ないやん》

 

《1兆円の防衛増税を今決める必要なかったやん! 物価高で低下してる消費マインドをさらに低下させたやろうし、企業も賃上げに慎重になるやろうに…》

 

 12月19日には、政府が2023年度当初予算案で約69.4兆円の税収を見込んでいることも報じられた。2022年度当初予算の65兆2350億円を大幅に上回り、過去最大となる見通しだ。同時に歳出も激増する状況に、SNSでは、

 

《この国は本当にお金の使い方を間違ってるよな…》

 

《財源とか、増税増税言うけど、自分たちの手元に残したいだけだろうね》

 

 との声が寄せられている。

 

 岸田首相は、防衛費増額の財源をめぐり、歳出改革を徹底し、それでも足りない場合に増税する方針だったはずだ。1兆円の増税を決める前に、13兆円の基金に対する歳出改革をおこなったのだろうか。

( SmartFLASH )

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