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岸田首相、またしても「後出しジャンケン」自衛隊の船や潜水艦に「建設国債」SNSでは「禁じ手」との声も

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.12.22 17:36 最終更新日:2022.12.22 17:38

岸田首相、またしても「後出しジャンケン」自衛隊の船や潜水艦に「建設国債」SNSでは「禁じ手」との声も

写真:ZUMA Press/アフロ

 

 岸田政権が進める防衛力の抜本強化に向け、政府は艦船など一部の防衛装備品の購入に「建設国債」をあてる方針を固めた。12月23日に閣議決定する2023年度当初予算案に盛り込むという。朝日新聞が12月22日に報じた。

 

 政府は2023年度から5年間の防衛力強化に向け、1.6兆円を建設国債でまかない、自衛隊施設の整備などにあてる方針だが、防衛装備品にも拡大されることになる。

 

 

 対象となる装備品は、運用期間が数十年間と比較的長い護衛艦や潜水艦で、航空機は対象外。数千億円規模の建設国債があてられる方針だ。

 

 共産党の志位和夫委員長は、12月22日、自身のTwitterに記事を貼り付けたうえで、こう書き込んだ。

 

《これは驚きの方針。護衛艦や潜水艦も「国債」で買うとは。つい先日の首相会見で、「借金で賄うのがほんとうにいいのか。安定財源を確保すべき」と言っていたことを、もう平気で覆す》

 

 たしかに、自衛隊施設の整備に建設国債をあてるだけでも、従来方針の大転換だった。

 

「橋や道路のように、幅広く恩恵が及ぶ歳出については、将来世代もその費用を負担するのが妥当である、との考えから建設国債があてられてきました。

 

 ただ、戦前、国債を乱発して戦争に突入した反省から、自衛隊施設については、これまで建設国債の対象とされてきませんでした。敵からの攻撃で破壊される恐れがある施設に建設国債をあてるのもおかしいですが、いわば消耗品でもある装備品にあてるのはもっと問題でしょう。

 

 そもそも、1965年に戦後初の国債発行を決めた直後、当時の福田赳夫蔵相は、国会で『防衛費は消耗的な性格を持つ。(公共事業のように)国債発行の対象とするのは適当ではない』と答弁しているんです。

 

 2月末のロシアによるウクライナ侵攻以降、安倍晋三元首相は『次の世代に祖国を残す』と、防衛装備品にも使える『防衛国債』を発行すべきと訴えてきました。防衛装備品に建設国債をあてるとなれば、この『防衛国債』に近い考えとなります」(政治担当記者)

 

 建設国債を防衛装備品に拡大する政府の方針に、SNSでは賛否両論が寄せられている。

 

《防衛力は将来まで続く財産》

 

《艦艇の整備費増はマジ必要》

 

 と賛同する意見もあるが、多くは、

 

《 戦前の「戦時国債」と同じ禁じ手のはずが…》

 

《壊されかねないものに建設国債か》

 

《そこまでなりふり構わず「軍備拡張」をする必要が本当にあるのでしょうか》

 

 と危惧する声だ。なかには、《建設国債をあてがうなら、増税の必要がないのでは?》という意見も。

 

 防衛費倍増の財源として、法人税、所得税、たばこ税を増税することを決めた岸田首相。増税が閣議決定されたあと、約13兆円もの「基金」残高が公表され、「後出しジャンケン」と問題になったが……今回の建設国債の話もまた「後出しジャンケン」なのは間違いない。

( SmartFLASH )

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