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茂木幹事長、児童手当の所得制限「反省」に「さかのぼって支給しろ!」の声
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.01.30 16:31 最終更新日:2023.01.30 16:33
1月29日、自民党の茂木敏充幹事長はNHKの『日曜討論』に出演。児童手当に関して、立憲民主党の岡田克也幹事長から、自民党が所得制限を主張していたことを踏まえつつ、「反省してください」と指摘されると、「反省します」と即答。
さらに、少子化対策をめぐり、過去の主張を一転させ、所得制限撤廃を打ち出したことについて「時代の変化に応じて必要な政策の見直しを躊躇なくおこなう。よい方向に変える。一緒にやりましょう」と協力を呼びかけた。
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これまで児童手当の所得制限を強行に主張してきた自民党の茂木幹事長が、25日、突如、所得制限撤廃を求めたことが波紋を呼んでいる。立憲民主党の泉健太代表は29日、自身のTwitterで、茂木氏が「反省します」と発言したことについてこう批判した。
《では、この10年間、自民公明に所得制限をかけられ、支給対象外になった全国の子育て世帯には、だからそれで納得しろと?》
旧民主党政権時代の2010年4月から、「子ども手当」として、0歳~中学校卒業まで、子ども1人あたり月1万3000円が所得制限なしで支給されたが、当時、野党だった自民党は「バラマキだ」などと猛批判。茂木氏は、2011年8月2日の衆院財務金融委員会で、当時の大塚耕平・厚生労働副大臣に対し、こう痛烈に批判している。
「子育ての支援策、財源がいくらでもあれば、私もやることについては反対じゃありませんけれど、これだけ厳しい財政状況のなかで見直しは必要だ、こんなふうに考えておりまして、我々はやはりかなりなレベルの所得制限が必要だと思っております。
従来の児童手当に戻す、こういうことをやりますと、補正後の2.7兆円からでも国庫負担は1.6兆円減額ができるわけであります。小学校修了時までを中学校修了時にしましても、月額1万円で、所得制限780万、サラリーマン世帯で860万を設けましても9000億近い削減ができる」
と、所得制限を強く主張。結局、2011年に旧民主、自民、公明の3党合意により子ども手当の廃止が決定。児童手当が復活し、2012年4月から新児童手当として月1万~1万5000円が支給されることになった。
そのうえで、2012年6月ぶんから所得制限が導入。年収960万円以上の世帯には月5000円の「特例給付」が支給されるだけとなり、2022年10月からは、夫婦どちらかの年収が1200万円以上だと、給付はゼロになった。
2012年から、自民党主導で10年以上も続いた「所得制限」。SNSでは、怒りの声が多く上がっている。
《茂木幹事長の「反省します。」という言葉の軽いこと。全然反省してないだろ》
《「過去は忘れて…」みたいな言い方をしていて…それなら今からでも返還作業しろよって思います》
《この10年間、愚策の犠牲になったこどもと親御さんにどうやって詫びるの? 口だけならなんとでも言える》
1月19日、茂木氏は自民党の会合で、「この10年が少子化を反転できる、最後のチャンスだ」と訴えた。だが、所得制限を課した10年への対処も必要となりそうだ。
( SmartFLASH )