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「残業代払えない会社は潰れるべき」ひろゆき氏のひと言で議論百出…背景には4月からの残業代アップ義務化も
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.02.14 16:05 最終更新日:2023.02.14 16:05
実業家のひろゆき氏が、2月12日にTwitterに投稿した内容が波紋を呼んでいる。
《うちの会社は若い女性は雇用しません。
うちの会社は障害者は雇用しません。
うちの会社は持病のある人は雇用しません。
うちの会社は不細工は雇用しません。
うちの会社はB型は雇用しません。
差別の公言を許すと差別は広がります。
思想は許しても公言はアウトです。》
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この発言は、経営者で弁理士の瀬戸麻希氏が《批判覚悟》としたうえで、中小企業で余裕がないため《寿退社や産休や育休をされると困るので、若い女性は正社員として雇用してません》と投稿したツイートを受けてのもの。
ひろゆき氏と瀬戸氏は、ニュース番組『ABEMA Prime』で共演しており、そこでひろゆき氏は「採用しないのは自由だが、経営者がそれは言うべきではない。公言すると『あ、それ言ってもいいんだ』と思われて、余計に雇用が難しくなる。 瀬戸さんは社会を委縮する形に持っていっている」とたしなめた。
この議論は大きな波紋を呼んだが、「社会を委縮させる」という言葉に反応したユーザーが《中小零細の社長が、社会全体の事まで考える必要あるの?雇用している従業員養えてるなら、それはそれで雇用面で貢献してるし。その会社潰れて、従業員の再就職とかどうするの?》と指摘すると、ひろゆき氏はこう応じた。
《「うちの会社はギリギリの経営なので残業代は払えないです」と言う会社は潰れた方がいいです。給料をきちんと払わない会社が価格競争をすると、まともに給料を払う会社が負けて潰れます。ブラックな会社が潰れるとまともな会社は売り上げが増えて昇給や研究開発や投資がしやすくなります》
この発言は、現在までに3.5万もの「いいね!」がついている。
「ひろゆきさんの『残業代が払えない会社は潰れた方がいい』という発言は、残業の未払いやサービス残業が社会的に大きなテーマとなるなか、『我が意を得たり』と思った人が多かったのでしょう。
実は法改正により、今年の4月から残業の割増賃金率が上がるんです。これまで60時間以上の残業をした場合、大企業は1.5倍、中小企業は1.25倍の割増となっていたのが、4月から中小企業も1.5倍になります。
中小企業にとって、残業代アップが経営上の大きな課題となるのは間違いありません。ひろゆきさんがここまで考えていたかどうかはわかりませんが、重要なテーマを投げかけたのは確かでしょう」(週刊誌記者)
実際、ひろゆき氏の発言に対し、SNSではさまざまな声が寄せられた。
《形変われど悪貨は良貨を駆逐してしまうんやなって…》
《ごもっともですが、その結果資本的体力のある大企業の寡占が進むというのもまた事実》
《サービス残業の1番の原因は、残念ながら従業員の我慢と頑張りなのですよ》
《知識や経験が足りなく残業しまくる社員と、自分の時間を使って勉強をして残業しない社員がいた場合、よほど条件で差を設けておかないと、前者の方が給与が高くなりがち》
《その理論だとクリエイター関連は9割くらい廃業かも知れない》
ひろゆき氏の《給料をきちんと払わない会社が価格競争をすると、まともに給料を払う会社が負けて潰れます》という意見に対し、作家の百田尚樹氏はこんなコメントを。
《鋭い意見!これを国家的単位でやってるのが中国》
この意見に対しては、こんな疑問の声も投稿されている。
《日本のことを言ってるのに、都合の悪いことは中国持ち込むのおかしくないですか?》
《残念ながらテックでは、その中国企業に給与水準で負けています》
ひろゆき氏のひと言でここまで議論百出となったのは、「働き方改革」が待ったなしの課題である証だろう。
( SmartFLASH )