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岸田首相 子ども関連予算「GDP比2%から倍増」発言を1日で修正 結局倍増は「物価」と「軍事費」にSNSで募る不信感
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.02.17 15:16 最終更新日:2023.02.17 16:18
2月15日、岸田文雄首相は衆院予算委員会で、子ども政策の規模に関する野党議員の質問に対し「家族関係社会支出は2020年度でGDP比2%を実現した。さらに倍増しようと申し上げている」と明言した。
国立社会保障・人口問題研究所のデータによると、国や地方自治体などが負担している児童手当などの「家族関係社会支出」は2020年度10兆7536億円でGDP比2.01%となっている。これを倍増させるには、約11兆円の財源が新たに必要になる。
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だが、翌16日、磯崎仁彦官房副長官は記者会見で、岸田首相の答弁に関し「将来的な倍増を考える上でのベースとしてGDP比に言及したわけではない」と修正した。
さらに、松野博一官房長官も17日の予算委で、倍増とする元の基準について「いま整理している。どこをベースとして倍増するかはまだ検討中だ」と述べ、首相答弁を事実上、修正した。
岸田首相が掲げた「倍増」の修正は、過去にもあった。
「岸田首相は2021年9月の自民党総裁選で『令和版所得倍増』を掲げましたが、同年10月には、当時、経済再生担当相だった山際大志郎氏が『文字どおりの所得倍増を指し示しているものではなく、多くの方が所得を上げられるような環境を作って、そういう社会にしていきたいということを示す言葉』と述べ、所得が2倍になるという意味ではない、と打ち消しました。結局、『令和版所得倍増』は『資産所得倍増』となり、2024年に始まる新NISAでの投資枠拡大に置き換わってしまいました」(政治担当記者)
2月7日、厚生労働省が発表した2022年の毎月勤労統計調査(速報)では、実質賃金は前年比0.9%減。2022年の消費者物価指数が3.0%上昇したことが影響した。所得は「倍増」どころか、「減少」していく状況だ。
「所得倍増」「資産所得倍増」「防衛費倍増」「子ども関連予算倍増」。岸田首相が掲げる「倍増」は数多い。だが、SNSでは、岸田首相の「倍増」に批判的な声が多く上がっている。
《「子ども予算倍増」に関し「家族関係社会支出」のGDP比に言及し「倍増しようではないか」と答弁しておきながら、僅か1日で「家族関係社会支出のGDP比に言及した訳ではない」と、180度答弁を覆した岸田政権。一昨年「所得倍増」を「2倍ではない」と反故にした時と全く同じ。もう騙されてはいけない》
《岸田首相と言えば以前、国民の「所得倍増」とか言ってた気がするけど空耳かな?「物価倍増」や「軍事費倍増」の聞き間違いだよね?》
《岸田「倍増」計画は、所得倍増は資産倍増にすり替えられうやむやに。子育て関連予算倍増も答弁の翌日にはむにゃむにゃと修正。しっかりやるのは防衛費倍増だけ》
《岸田さん倍増させたの電気代!》
かつて池田勇人首相が「所得倍増」を掲げた背景には、経済学者・下村治氏の経済成長理論があった。だが、岸田首相が唱える「倍増」には、裏づけとなる根拠が見えてこない。このままでは、子ども関連予算の「倍増」も絵にかいた餅になりかねない。
( SmartFLASH )