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「ガーシー議員の著書が“塀の中”の知人に届かず」謎だらけ「検査」という名の刑務所内「検閲」事情
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.02.17 16:39 最終更新日:2023.02.17 16:54
「本日ガーシーch1周年やー!!」
2月17日、Instagramのストーリーにそう投稿したのは、暴露系YouTuberにして、NHK党のガーシー(東谷義和)参院議員。国会議員に当選後、一度も国会に当院していないことが問題視され、2月21日に開かれる参院懲罰委員会(鈴木宗男委員長)で、なんらかの処分が下される見込みだが、本人はどこ吹く風だ。
そのガーシー議員が、2022年8月に発売して話題になった自叙伝が『死なばもろとも』(幻冬舎)だ。『死なばもろとも』は発売前からAmazonの書籍ランキングで1位になり、異例の早さで10万部を突破したという。
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そんな中、少し気になる話がある。現在、中部地方のとある刑務所に収監中の知人に対し、本の差し入れをしたというAさんが語る。
「収監中の知人に『死なばもろとも』を含む3冊を、差し入れとして送ったんです(大半の刑務所では、本の差し入れは1日3冊までという規定がある)。知人は彼の存在を知らないので、『いま、日本にはこんな参院議員もいるよ』ということを知ってもらおうと。すると後日、彼から手紙で『3冊のうちの1冊が、検閲で領置されてしまい手元に届きませんでした』との報告を受けました。その本が『死なばもろとも』でした」
Aさんによれば、過去の差し入れでは、殺人事件のノンフィクションがやはり届かないことがあった。Aさんは毎回、差し入れの記録を残していないため、本のタイトルは覚えていないが、「北関東連続幼女誘拐殺人事件をテーマにしたノンフィクション『殺人犯はそこにいる』(新潮文庫)は通ったのに、もう一方の事件ものが通らなかったことは覚えている」という。
「そういった経緯もあり、こちらも送る本はある程度、吟味して送っているつもりだったのですが、ガーシーの本が弾かれたのは、まったくの想定外でした……」
いろいろと話題になっている人物とはいえ、ガーシーは現役の国会議員である。いったい、どこが問題だったのか。当該の刑務所に確認すると「法令に基づいて検査をした結果です」とのことで、詳しくは「法務省で定められた規約を参照ください」とのことだった。
そこで、法務省のHPで矯正局の「刑事施設で適用される主な訓令・通達」内「被収容者の書籍等の閲覧に関する訓令」という項目を確認した。その中の「自弁の書籍等」の項には、「検査を行う職員は、自弁の書籍等の内容に閲覧禁止部分に該当すると思われる箇所があると認めたときは、刑事施設の長に書面によりその旨を報告するものとする」とある。つまり、これらの規約に基づいて、ガーシーの本は「検査」という名の事実上の「検閲」の結果、差し入れするにふさわしくないと判断されたということだ。
「検閲の基準はあるといっても、この刑務所では入った本が、こっちの刑務所では入らなかったというケースもあります。その辺の判断基準は、各刑務所によっても違ったりするんです。本人の罪名や罪に関わるものは基本的にダメだし、わかりやすい例でいえば、暴力団員に暴力団の本を差し入れしても、通らない場合もあります。ほかにも、ヌード写真集は通ったのに、写真週刊誌が通らなかった、なんてこともありました。その号に、何か収容者にとって関係することが載っていたのかもしれません」(刑事事件に詳しい記者)
理由は不明だが、今回、ガーシー議員の本が刑務所の検閲で弾かれたのは事実。本人は、これを知ったらどう思うのだろうか。
( SmartFLASH )