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逮捕された「醤油さしペロペロ男」は “ドン横キッズ” だった…専門家が指摘する飲食テロ犯の残念すぎる共通点
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.03.10 20:15 最終更新日:2023.03.10 23:32
3月8日、くら寿司での迷惑行為を動画に収め、SNS上に投稿したとして、愛知県警は住所不定の無職・吉野凌雅容疑者(22)や少女ら3人を威力業務妨害容疑で逮捕したと発表した。
「寿司をほおばり、そのまま醤油さしを口に入れるという “醤油さしペロペロ男” です。炎上したのを恐れてか、『すしを乱暴に扱ってすみませんでした。深く反省しています』と語る謝罪動画を出しましたが、笑いをこらえている様子で、真摯に反省しているようには見られませんでした」(事件担当記者)
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報道によると、吉野容疑者は “ドン横キッズ” だったようだ。ドン横とは「ドン・キホーテの横にある広場」の略語で、名古屋で未成年者などが集まる場所とされる。
「東海テレビに登場した吉野容疑者を知る男性によると、今回逮捕された3人はもともと『ドン横』にたむろしていたメンバーだったようです。炎上後、吉野容疑者は『トー横』(新宿「東宝ビル近辺」)や『グリ下』(大阪「グリコの看板の下」)などに身を隠していたそうです。
さらに同報道では、逮捕後に本人から弁護を依頼されたという田村健一弁護士が登場し、『最初はめちゃくちゃ不安そうだった』と吉野容疑者の様子を語り、『自分の承認欲求を満たしたいがために、ちょっと行き過ぎてしまう』と分析しています」(週刊誌記者)
逮捕を受け、徐々に明らかになってきた “飲食テロ犯” たちの素顔。彼らには残念な共通点があると語るのは、炎上動画に詳しいSNSリスクコンサルタントの井ノ口樹(いのくちたつき)氏だ。
「これまでの炎上動画の共通点として、単独で行動して撮影するのではなく、仲のいいリアルな友人関係、つまり “リア友グループ” の集団行動のなかで投稿されていることがあげられます。
以前、大きな社会問題になったいわゆる “迷惑系ユーチューバー” の場合、迷惑行為を自撮りで撮影し、投稿を繰り返していた。彼らの目的は、炎上しようが非難されようがおかまいなく、再生回数を上げて収益を確保するという明確な『打算』がありました。
ところが、ユーチューブではなくSNS投稿の場合、仮にバズったとしても、それだけでは収益に結びつきません。彼らの目的は、あくまで “リア友グループ” のなかで動画を共有して目立ちたいという、歪んだ自己承認欲求を満たすことなんです。
また、リーズナブルな価格で気軽に利用でき、店内の面積が広く、スタッフの目が行き届きにくくなった飲食チェーン店が格好のターゲットとなっています」
さらに “飲食テロ” の実行者に、本物の不良は少ないという。
「訛りや方言、周辺の画像から、地方都市や郊外型店舗で撮影された投稿が多いとわかりますが、いわゆる『トー横』『グリ下』『ドン横』界隈と呼ばれる、行き場を失った若者も多いですね。
彼らがふだん投稿や配信する際の口癖は『かったりぃー』『超だりぃー』『眠みぃー』『ひまー』『うぜー』『死にてー』です。
無気力でネガティブな彼らは、いわゆる昔ながらの不良ではなく、頭を使う必要のない娯楽や刺激として迷惑行為をおこなっているんです。
かつての暴走行為や、カツアゲやケンカに明け暮れるようなアグレッシブなタイプの若者とは別ですね。暴力事件など、本気で悪いことに手を出す勇気はないんです」
厳罰化したところで、本質的に迷惑行為が減ることはないという。
「吉野容疑者のように、刑事事件化したり、少なくない額の損害賠償を請求されれば、SNSへの投稿自体は減るでしょう。ただ、表沙汰になりにくくなるだけで、迷惑行為をおこなって仲間内で自慢するという彼らの行動パターンは変わらないのではないでしょうか」
彼らの歪んだ自己承認の代償は、あまりに大きい――。
( SmartFLASH )