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放送法「政治的公平文書」で名指しの『サンモニ』関口宏が「権力者がメディアの解釈を間違ってたんじゃないか」変わらぬ姿勢に寄せられる応援

社会・政治 投稿日:2023.03.12 19:17FLASH編集部

放送法「政治的公平文書」で名指しの『サンモニ』関口宏が「権力者がメディアの解釈を間違ってたんじゃないか」変わらぬ姿勢に寄せられる応援

 

 3月12日に放送された『サンデーモーニング』(TBS系)では、放送法をめぐる一連の文書について、総務省が7日に「行政文書」として認めたのを受け、この問題を取り上げた。

 

 番組で伝えた内容は以下となっている。

 

・78枚の行政文書の中には、総務省に問い合わせをした礒崎陽輔首相補佐官(当時)の「けしからん番組は、取り締まるスタンスを示す必要がある」という発言が記載され、具体的な番組として「TBSサンデーモーニングの名前も」と、番組が名指しされている。

 

 

・礒崎氏が、政治的公平性をめぐって、放送法の解釈に追加的説明を加えるよう求めたことがうかがえる。総務省側が、菅義偉官房長官(当時)にも相談してはどうかとすすめると、礒崎氏が「この件は、俺と総理が二人で決める話。俺の顔をつぶすようなことになれば」「首が飛ぶぞ」(2015年2月24日付文書)と、恫喝とも取れる発言をしたことが記されている。

 

・文書を内部告発者から受け取ったとして公開した、立憲民主党の小西洋之参院議員は、3月8日の参院予算委員会で「内部告発してくださった方の最大の思いは、この違法な解釈、いつでもプーチン大統領のような人が現れたら、日本の放送局を止めることができる。そういう恐ろしい解釈をこの世から消して、放送法を国民の手に取り戻してほしいとのことでございました」と発言。

 

・礒崎氏のやり方に懸念を示した山田真貴子首相秘書官(当時)が「どこのメディアも萎縮するだろう。言論弾圧ではないか」「本気でこの案件を総理に入れるつもりなのか」(2015年2月18日付)と発言したことが文書に記されている。

 

・当時の総務相だった高市早苗・現経済安保担当相は、3月8日に参院予算委員会で「捏造だと考えております」「これどう見ても(礒崎)補佐官からの伝言というのも、まったく私も大臣室長も秘書官も覚えていない。いや、ありえない」と発言。

 

・文書の内容は正確なのか、捏造なのか、3月8日の参院予算委員会で、総務省情報流通行政局の小笠原陽一局長は、「聞き取りの結果を申し上げるには、相手方の意向を確認する必要もあり、ここでお答えすることは控えさせていただきたい」と発言。

 

岸田文雄首相は3月6日の参院予算委で「政治的公平に関する解釈は変わっておらず、報道の自由への介入にはあたらない」と答弁した。

 

 一連の流れを伝えたあとは、いつもどおりスタジオで識者たちがコメント。司会の関口宏は、「当時の権力者たちが、メディアというものの解釈をどこか間違っていたんじゃないかなという気が僕はしています」と発言した。

 

 ジャーナリストの青木理氏は、文書を手にしたうえで、「いちばんの肝の部分は、礒崎補佐官が『けしからん番組は、取り締まるスタンスを示す必要がある』という部分なんです」としたうえで、「時の政権幹部がテレビ番組を、あるいは、報道を取り締まる必要がある、という発想は、憲法が禁じる検閲になるわけです。少なくとも時の政権幹部が、このようなことを言うことがいったい、我々の社会に何をもたらすのかをちゃんと考えなくてはいけないと思います」と訴えた。

 

 3月5日の放送で、司会の関口はこの問題に関し「いろんなご意見はあると思いますが、やはり我々は、我々のこの番組の姿勢を、淡々と貫いていかなきゃいけないな、と私は思っております」と発言していた。

 

 3月12日、Twitterでは《サンデーモーニング》がトレンド入り。変わらぬスタンスに批判的な声が多かった一方で、賛同する声も上がっている。

 

《サンモニも他のマスコミも萎縮しないでやって欲しい!! 報道の自由を守らないとロシアや中国の様に成る》

 

《今回の放送法文書の件で、サンモニ関口氏は番組内で発言があったらしいが、その他全てのテレビ局が、抗議や反省を含め何のコメントも無い所に、この国のテレビメディアの情けない実情が良く現れとるわな》

 

 なかにはこんなコメントも。

 

《時に関口さんも老いたなと思うこともあるけど、この文書読むとTBSサンデーモーニングの功績は大きいなぁ。今後も頑張って欲しい》

 

 8年前の文書が公開されたことで注目を集めた『サンデーモーニング』。1987年から続く長寿番組は、思わぬ形で存在感を発揮することとなった。

( SmartFLASH )

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