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くら寿司“醤油動画”逮捕YouTuberが夢見た「迷惑系動画で一発逆転」トー横で知人に語った「ヒモになりたい」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.03.13 06:00 最終更新日:2023.03.13 06:00
「警察に捕まり始めている!」
『M-1』新王者のウエストランドの漫才で、YouTuberについて、井口浩之がこう毒舌を吐くくだりがある。爆笑をさらったこのセリフが、まさか現実になるとは――。
大手回転寿司チェーン「くら寿司 名古屋栄店」で、レーン上に流れる寿司を手で掴み、醤油差しをじかに口につける様子を撮影、SNSに投稿したとして、威力業務妨害容疑で逮捕された吉野凌雅(りょうが)容疑者(21)。彼のほかに、未成年の女子を含む2人が逮捕された。
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「2023年になって相次ぐ“迷惑動画投稿”で、初の逮捕者が出ました。事件があったのは2月3日。動画で迷惑行為を把握した『くら寿司』は、悪質な営業妨害だとして、翌日に被害届を提出しました。事件化したことで慌てたのか、吉野容疑者らは9日に新たな動画を投稿。『寿司を乱暴に扱ってすみません』などと頭を下げていました」(社会部記者)
吉野容疑者は、少年少女のたまり場となっている、新宿「トー横」や名古屋「ドン横」、大阪「グリ下」を行き来していたという。2022年7月ごろ、トー横で吉野容疑者と知り合ったという少年が、彼の人となりを明かした。
「『トー横の王』と呼ばれた、ハウルさんの名前を聞きつけて歌舞伎町に来た、よくいるトー横キッズのひとりで、正直、存在感はぜんぜんありませんでした。よく『ヒモになりたい』と話していましたね。『複数の女の子とつき合って、援助交際をしてもらい、そのカネで暮らすのが夢だ』と。実際、よくトー横の女の子に声をかけていましたが、彼は界隈では下っ端。すぐに見限られて、仲よくなっても長続きしませんでしたね。暮らしは貧相で、100~200円程度を女性にねだり、ひとりあたり1泊1000円ほどで、ビジネスホテルをシェアして暮らしていました」
ヒモ暮らしにはほど遠いトー横生活から、吉野容疑者が一発逆転を狙って始めたのが、動画配信だった。
彼が投稿した1本の動画を、前出の少年が見せてくれた。そこには、Tシャツの上からSMプレイでおなじみの「亀甲縛り」をして、ケラケラと笑う吉野容疑者が映っている。こうした「ふざけ系」動画を試しつつ、彼は「迷惑系YouTuber」としてカネを稼ごうとしていた。
「彼が作成した動画は、トー横周辺のガールズバーのキャッチの女性をナンパする、だとか、カフェで食事中の客の食べ物を勝手に食べる、といった“迷惑系”がほとんど。やられた人が当惑する様子を見て、大笑いしていました。結局、キャッチの女性をナンパした件で、複数の店舗関係者から文句を言われ、トー横から逃げ出したんです」(同前)
その後、愛知県に渡り、ドン横に出入りしていた吉野容疑者。そこで投稿したのが、この「醤油ペロペロ動画」だったのだ。
「動画が炎上して警察が動き出したと知るや、『俺は韓国に逃げる』と言っていましたが、1週間程度でお金がなくなって、帰国したと聞きました」(ドン横の友人)
逮捕された吉野容疑者は、警察の取り調べに「おもしろいことをしなければと思った」と供述しているという。1年ほど前にグリ下で知り合い、今回、吉野容疑者に接見した田村健一弁護士が、逮捕後の様子を語る。
「いまは、しでかしたことの重大さに怯えている様子です。今後、高額な賠償責任が発生する可能性があることも、彼は十分に認識しています。この逮捕は、将来きっと吉野君のためになると思います」
昨今、相次ぐ「飲食テロ動画」。今後、漫才どおりに逮捕者が続出しなければよいのだが――。