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親の仕事状況を問わず保育所が利用できる!政府の条件緩和に「ぜひ実現して」と歓迎の声…待遇改善が先との批判も
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.03.23 17:15 最終更新日:2023.03.23 17:17
3月末にまとめる少子化対策の「たたき台」に、政府は、親の就労状況を問わず保育所を利用できる制度を創設する方向で調整に入った。3月22日、共同通信が報じた。
これまで保育所を利用するには、親が一定時間、就労しているなどの条件があった。条件を満たさず未就園となっている子供は「無園児」と呼ばれ、親とともに孤立することも多い。そのため、就労時間が条件を満たさない家庭も利用可能にする。2023年度からモデル事業を進め、その後、全国への拡大を検討するという。
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保育所利用の就労条件が緩和される方針が報道されると、SNSでは賛否が渦巻いた。
《素晴らしい動き。そもそも働いてないと保育園に預けられない現状が変。無園児親子は本当社会から孤立する》
《孤立した子育て家庭を助けられるし、虐待リスクも激減させられる。これが実現したら、本当に歴史が変わる》
《ぜひ実現してほしい。早めに》
と賛同する声があがる一方、批判的な声も多くあがった。
《保育所利用の就労条件緩和も大切ですが、その前に深刻な保育士不足も改善しなければなりません。手取り15万円前後の給与では、保育園児が増えても、対応できる保育士が不足するばかりです》
《まず現場の状況見てからにして欲しい。配置基準も改善されない、保育士の給与は上がらない、待遇改善されない。更に保育利用者が増えれば現場はどうなる?保育士の負担だけ増えるの?なんだと思ってんの?給与手取り30万くらいにしてから言って欲しい》
《現場をちゃんと視察してヒアリングしてるのかな? 今求められてるのは、保育士の確保と、待遇、賃金の底上げ、適正な配置基準、保育の質の向上ではないでしょうか?》
2022年9月には、静岡県牧之原市の幼稚園で、送迎バス内に置き去りにされた3歳児が死亡する事故が起きた。同年12月には、静岡県裾野市の保育所で、元保育士3名による1歳児への虐待が発覚するなど、2022年は幼稚園や保育所での事件・事故が相次いだ。
2023年1月末、本誌は、保育現場のリアルな実態を調査するため、全国の保育士121名に緊急アンケートを実施。すると「園児を虐待したことがある」と回答した保育士が1割近くに及び、「園で虐待が問題になったことがある」という回答も、16.4%にものぼった。
また、1日の労働時間が8時間以上という回答が73%だったのに対し、年収300万円以下の保育士が半数以上にのぼり、低賃金・長時間労働の実態が如実に表われた。
政府がまとめる叩き台では、保育士の処遇改善や配置基準の見直しなど、受け皿となる保育の充実も打ち出されるという。保育士の疲弊を心配する声は多い。政府には、ぜひとも現場の声を聞き、保育の充実に生かしてほしいものだ。
( SmartFLASH )