3月28日、公明党の高木陽介政調会長は、少子化対策に関する同党の提言を岸田文雄首相に手渡した。
提言では、少子化の現状について「社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際」と指摘。政府が「緊急事態宣言」を発令し、向こう3年間で児童手当の拡充などに集中的に取り組むことが必要だと強調した。
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児童手当の対象年齢を高校生にまで広げるほか、所得制限撤廃や多子世帯への加算を拡充することも盛り込んだ。さらに、高校3年生までの医療費、学校給食、高校や大学の教育費の無償化を目指すよう提言した。
また、雇用形態にかかわらず育児休業を取得できるようにすることや、奨学金返還の負担軽減にも取り組むよう求めた。
公明党の提言に対し、岸田首相は「しっかり受け止める」と応じ、3月中にまとめる少子化対策のたたき台に「反映できるよう努力していきたい」と述べた。
公明党の提言については、3月27日、毎日新聞が内容を報じていた。特に教育支援について「まずは多子世帯や理工農系学部を対象に中間所得層まで拡大する」とする内容に、SNSでは、賛否が渦巻いた。
《2004年から子育て世帯向けの政策を打ち出しているのは知っている。教育、福祉の党としてこの方向で頑張って欲しい》
《すべての大学までの教育を無償化すれば、経済的にもゆとりができ、消費に繋がるだろう。経済を回す意味でも所得制限はかけるべきではないと思う》
と賛同する声があがる一方で、無償化に反対する意見や冷めた見方も。
《無責任な選挙PR用の提言・・財源は?結局、税金搾取 どれだけ払わせるん?》
《公立の高校までで十分だと思うよ どうしてもやるのなら、かなり成績優秀な人に限定するかあるいは奨学金制度の充実で良いと思う》
《何でもかんでも無償化してたら将来消費税20%濃厚やな。増税する為の布石にしか思えん》
少子化対策については、自民党の「『こども・若者』輝く未来創造本部」も、3月27日、政府の「たたき台」への反映を目指す論点整理をまとめていた。
「児童手当の所得制限撤廃や対象年齢の上限引き上げ、多子世帯への加算、さらに、保育士の配置基準見直し、小中学校の給食費無償化などが盛り込まれましたが、具体的な制度設計や給付額には言及していません。
また、兆円単位の追加支出が見込まれるものの、財源論も棚上げ。統一地方選や衆参補選のための選挙対策の色合いが強く、実現性については見通せません」(政治担当記者)
岸田首相が年頭に「異次元の少子化対策」を掲げて以降、少子化対策は議論が広がる一方だ。「大学無償化」や「小中学校の給食費無償化」は、政府が6月に策定する「骨太方針」に盛り込まれるのか――。
選挙が終わってから、「財源が足りない」とあっさり期待を裏切ることはやめてほしい。
( SmartFLASH )