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2.2兆円「予備費」で物価高対策 2年連続の選挙直前支出に「ばらまき」「内閣が自由に使える小切手」批判集まる

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.03.29 15:50 最終更新日:2023.03.29 16:01

2.2兆円「予備費」で物価高対策 2年連続の選挙直前支出に「ばらまき」「内閣が自由に使える小切手」批判集まる

3月28日、閣議に臨む岸田文雄首相(中央)ら(写真・時事通信)

 

 3月28日、政府は、物価高騰と新型コロナウイルスへの対応として、2022年度予算の予備費から2兆2226億円を支出すると閣議決定した。

 

 地方自治体が、地域の実情に応じて物価高対策を講じられる「地方創生臨時交付金」に1兆2000億円を追加。そのうち5000億円で「低所得世帯支援枠」を新設。住民税非課税世帯に1世帯あたり3万円を支給することを想定する。残りの7000億円は、LPガス(プロパンガス)や、電力使用の多い法人向け「特別高圧電力」の負担軽減策などを自治体に促す。

 

 

 加えて、国が1551億円を投じて、子供1人当たり現金5万円を支給する。対象は住民税非課税世帯のほか、児童扶養手当を受けている低所得のひとり親世帯とする。

 

 農業分野では、畜産農家の負担を軽減するため、飼料価格高騰対策に965億円、政府が製粉会社に売り渡す輸入小麦価格の抑制策に311億円を確保する。新型コロナウイルスに対応する病床を確保した病院などを自治体が支援するための「緊急包括支援交付金」を、7365億円増額する。

 

 4月に控える統一地方選を前に、自治体や、農業・医療といった団体への配慮をにじませた内容となった。

 

「予備費は本来、自然災害など不測の事態に備えるもので、年間の計上額は5000億円ほどでした。ところが、2020年、当時の安倍政権が新型コロナ対策として10兆円の予備費を計上して以降、巨額の予備費を計上することが常態化しています。予備費は国会審議を経ず、閣議のみで使途を決められるため、監視の目が届きにくく、政府にとって使い勝手がいいのです。

 

 岸田政権では、2022年夏の参院選を控えた同年4月末にも、新型コロナウイルス対応などの予備費から1兆5110億円を支出すると閣議決定。低所得の子育て世帯に子供1人当たり5万円を給付しています。さらに、その後の補正予算で埋め戻し、計5.5兆円の予備費を維持し、物価高対策にも使えるよう名称を変更していました。結果的に、2022年度の予備費は9兆8600億円にも膨らんでいたのです」(政治担当記者)

 

 2022年度の予備費から、2022年夏の参院選前、今回の統一地方選前と、2年連続で選挙前の支出を、岸田文雄政権は閣議決定したわけだ。SNSでは、選挙前の予備費支出を批判する声が多く上がっている。

 

《国会の議を経ずに予備費から兆円を超える支出は、事実上の内閣が自由に使える小切手、と言えるでしょう。ましてや選挙前に、これはおかしい》

 

《選挙用のばら撒きには辟易する》

 

《予備費って選挙のばらまきに使うものなのか? 国会なくていいじゃん 無茶苦茶だ》

 

 3月28日に成立した2023年度予算でも、政府は5.5兆円の予備費を計上した。岸田政権の支持率が回復し、早期解散論も浮上している。岸田首相には、選挙にかかわらず、適正な予備費の支出を願いたいものだ。

( SmartFLASH )

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