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社会保険料「年10万円負担増」野党試算に「少子化対策なんかしなくていい」SNSであがる悲鳴
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.04.06 15:35 最終更新日:2023.04.06 15:39
4月5日、衆院厚生労働委員会で、岸田文雄首相が掲げる「異次元の少子化対策」の財源をめぐり、立憲民主党の山井和則衆院議員が質疑をおこなった。
「機械的に計算してみました。機械的ですから誰がやってもこの計算になると思います。社会保険料8兆円を増やす場合、月額保険料が4515円。
重要なのは、事業主負担を合わせると9000円。事実上、9000円の負担増、あるいは一歩間違うと9000円の月給の賃下げ、もっといえば1年間で約10万円の負担増になりかねない。いくら子育て支援のためとはいえ、これだけの負担増はなかなか難しいのではないか」
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対して、加藤勝信厚生労働相はこう答えた。
「この8兆円というのは、自民党が出したものの全部、仮にやればということ。しかも、それを全部こういう形(社会保険料)で捻出すれば、といういくつかの仮定が入ってる数字なんだろう。
まさにこれから(こども未来戦略)会議のなかで議論しながら、当然、財源を確保しなければ具体的な政策はできないわけだから、財源の確保の根拠・合理性というものを検討し、国民のみなさまからもご理解をいただかないとならない」
「8兆円」というのは、3月30日付の「日本経済新聞」が報じた数字だ。
3月29日、自民党は少子化対策に関する論点整理を政府に示した。児童手当に関して、「所得制限の撤廃」「支給期間を高校卒業まで延長」「多子世帯への加算」「小中学校の給食費の無償化」などを盛り込んだ結果、項目数は59にのぼった。日経新聞は、自民党幹部の試算として「必要な予算総額が年8兆円規模」と伝えている。
政府は3月31日、「異次元の少子化対策」のたたき台を公表した。財源をめぐり、政府は社会保険料を引き上げる方針だ。年金・医療・介護・雇用の4保険のうち、公的医療保険の月額保険料に上乗せする案が有力となっている。そのため、山井氏はそれを機械的に計算してみたわけだ。
だが、少子化対策のために、「社会保険料の年10万円の負担増」という数字が報じられると、SNSでは悲鳴にも似た声が上がった。
《正直、よその子のために負担したくない。自分の生活自体が苦しいのに、未来のためにとか言われても、今日、明日の自分の生活を守りたいのはワガママ?》
《今より天引きされるなら少子化対策なんかしなくていい 老後までに二千万円貯えろとか、それでも足りないとか言いたい放題 もう国民は今を生きるだけで精一杯》
《中抜きされたり、そもそも少子化対策自体が自民党が考えた物だから上手くいくとは思えないし、成果が得られずに国民の負担が増えるだけなんじゃないのか…》
少子化対策の財源に関し、岸田首相は4月3日の参院決算委員会で「各種の社会保険との関係、国と地方の役割など、社会全体でどのように安定的に支えていくか考える」と説明した。
また、自民党の茂木敏充幹事長は、4月4日、BS日テレの『深層NEWS』に出演。政府が今後3年間に集中して取り組む「こども・子育て支援加速化プラン」について、「3兆円程度にはなってくる」としたうえで、「増税や国債(の発行)は考えていない」と明言している。
岸田首相を議長とし、有識者らを交えた「こども未来戦略会議」は4月7日に初会合が開かれる。6月の「骨太の方針」策定に向けた議論が本格化するなか、あまりに国民の負担が増えるようでは、「少子化対策などしなくていい」となりかねない。
( SmartFLASH )