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卵高騰で「代替卵」「ブラジル卵」が本格化…終わらぬ鳥インフルで採卵鶏の1割超が殺処分の惨状

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.04.08 06:00 最終更新日:2023.04.08 06:00

卵高騰で「代替卵」「ブラジル卵」が本格化…終わらぬ鳥インフルで採卵鶏の1割超が殺処分の惨状

鳥インフルが確認された北海道の養鶏場(4月3日、写真・共同通信)

 

 卵の価格高騰が止まらない。日本養鶏協会が出している「鶏卵価格の年次別月別推移」によれば、今年3月の価格(全農、Mサイズ、1kgあたり)は343円に達した。2004年の年初に最安値85円を記録したことを思えば、隔世の感がある。もはや「物価の優等生」と呼ばれていたのは遠い昔の話だ。

 

 帝国データバンクが4月6日に発表した『卵メニュー休止状況調査(2023年4月)』によると、主要外食100社のうち、実に28社で「卵メニュー」を休止するとされている。理由として、「深刻な卵不足」「価格の高騰」があげられている。

 

 

 なぜ卵不足は深刻化しているのか。おもな原因は、昨年10月から大流行している鳥インフルエンザだ。

 

「農林水産省のデータによれば、今シーズン、10月28日に過去最速で発生した鳥インフルは、今年4月3日時点で、26道県83事例も発生し、約1740万羽が殺処分の対象となりました。

 

 これまで、山形県、福島県、鳥取県、長崎県などでは、大量死を引き起こす高病原性鳥インフルエンザがなかったのですが、今シーズンはいずれも発生しています。

 

 すでに、採卵鶏全体の1割超が殺処分され、供給不足が深刻化したのです」(経済担当記者)

 

 被害はいまも進行中だ。

 

 野村哲郎農水大臣は、4月4日の記者会見で、「昨日も北海道で35万羽の鳥インフルが発生していますので、われわれは緊張感を持ってやっていかなければいけない。卵の値段は4月3日現在で350円になりまして、これは平年と比べると174%の高い水準になっています」と語っている。

 

 卵不足が深刻化するなか、注目されているのが「代替卵」だ。

 

「代替卵は、もともとはアレルギーなどがあって卵を食べられない消費者のために開発された商品です。

 

 たとえばキユーピーは、アーモンドパウダーをベースにした『HOBOTAMA(ほぼたま)』を発売。カゴメは、白インゲンとニンジンをベースにした『Ever Egg(エバーエッグ)』を開発しています」(同)

 

 それだけではない。実は、鳥インフルが発生していないブラジルから卵を輸入する計画もあるのだという。野村農水大臣が、3月31日の会見でこう明かした。

 

「国内に(卵が)なければ、輸入でもいいではないかということで、近々にブラジルから輸入の卵、殻付きが船で入ってくるという動きもあります。

 

 ブラジルはまったく鳥インフルエンザが発生していませんので、ブラジルからの輸入はストップされないので、日本として受け入れやすいということです。どこ(の企業)かわかりませんけれど、発注して(まもなく)第1便が届くのではないかという話もあるところです」

 

 輸入には1カ月から1カ月半かかるため、冷凍に近い温度で管理する必要がある。入荷しても生卵としては食べられないが、加工用には問題ないのだという。

 

 それにしても、卵不足はいつ解消するのだろうか。鶏卵流通に詳しい関係者は、「生まれたヒナが採卵できるようになるまで半年かかります。昨年被害にあった業者のヒナは、すでに採卵できるまで成長していますので、まもなく解消されると思います」と言う。

 

 野村農水大臣は、先に触れた4月4日の会見で、地元・鹿児島のホテルに泊まったところ、朝食に卵かけご飯が出てきて喜んだと語っている。早く、元の状況に戻ってほしいところだ。

( SmartFLASH )

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