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稼働中の下水処理場「飯能市浄化センター」内に広がる巨大廃墟の謎 施設担当者も「経緯はわからない」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.05.11 20:15 最終更新日:2023.05.11 20:15

稼働中の下水処理場「飯能市浄化センター」内に広がる巨大廃墟の謎 施設担当者も「経緯はわからない」

施設内の立ち入りは禁止だが、昭和40年代建築と思しき建物が並ぶ光景は圧巻だ

 

「なんだ、これ?」というのが第一印象だった。

 

 道路の両側に、荒廃した巨大施設の廃墟が広がっている。ヤシの木などが植えられているが、葉は枯れ、雑草が生い茂っている。博物館か、研究室のような建物群は、ガラスが割れ、人の気配はまったくない。

 

 西武池袋線の飯能駅は、秩父方面への乗換駅として、休日はハイキング客などで賑わう。この駅からアップダウンのある道を約2km歩くと、広く開けた敷地内に、白い建物と浄化水槽らしき四角い池が点在する、大きな施設にたどり着く。

 

 

 突然、文明が崩壊した世界に迷い込んだような気分になるこの施設は、調べてみると「飯能市浄化センター」(飯能市征矢町)という、現在も稼働している下水処理場の一部らしい。

 

 センターは汚水処理と水質保全を目的とした施設で、各家庭や事業所などから排出された水(汚水)を浄化し、センターのかたわらを流れる成木川に流している。処理された後の水は非常にきれいで、川にはつがいのカモが泳いでいるほどだ。

 

 地元紙「文化新聞」によれば、施設の広さは8万9000平方m。じつに東京ドーム約1.9個分という広大な敷地の一角が、ディストピアのような廃墟と化しているのだ。浄化センターを管理する飯能市の上下水道部下水道課の担当者に聞いた。

 

「たしかに、廃墟になっていますね。いつごろからそうなっているかは定かではないのですが、現在は倉庫、資材置き場という扱いです」

 

 浄化センターが供用開始になったのは1966(昭和41)年。現在も、県内で有数の規模をもつ単独公共下水道(終末処理場を持つ公共下水道)だが、処理場の敷地内に、大規模な廃墟があるのはなぜなのだろうか。

 

「(経緯は)ちょっとわからないんですよね。建物の解体などの予定もないです。新しい施設を建設する予定も、とくには……」(同前)

 

 施設内の立ち入りは禁止だが、1960年代建築と思しき建物が並ぶ光景は圧巻だ。センターを囲むようにある道路からは、誰でも鑑賞することができる。歩道がなく、近隣住民が車の抜け道として利用しているようで、注意が必要だが、ハイキングがてらに眺めに行くのもいいだろう。都心近くのオススメ廃墟スポットである。

( SmartFLASH )

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