社会・政治
ラーメン、カレー、シーチキンも「ちょこちょこ値上げ」にファン悲鳴「一度に上げない」理由を識者に聞いた
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.05.30 19:15 最終更新日:2023.05.30 19:15
帝国データバンクによると、2023年における家庭用を中心とした飲食料品の値上げ品目数は、4月28日までの判明ベースで累計2万1205品目。2023年1~7月までに値上げ済み、または値上げが予定される食品の累計品目数は2万815品目で、前年と同じ時期に比べて約2倍となった。6月はカップ麺などを中心に、約3300品目が値上げ予定だという。
一例をあげると、ハウス食品は家庭用の食品205品目を、6月1日納品分から値上げすると発表。値上げ幅は約6~15%で「バーモントカレー中辛(230g)」は349円から394円、「マロニーちゃん180」は280円から322円になる。また、日清食品は「カップヌードル」のレギュラーサイズを231円から254円に、袋麺『チキンラーメン 5食パック』を664円から734円に値上げし、「日清ラ王」や「日清のどん兵衛」「日清焼そばU.F.O.」なども対象だという。(金額はいずれも税別、以下同)。
【関連記事:岸田首相、1兆円増税でも「賃上げするから負担感なし」に大ブーイング「もう限界なんだよ!」「取らぬ狸の皮算用」】
日清食品は即席麺を2022年6月に、ハウス食品も「バーモントカレー」2022年8月に値上げをしている。このように、最近は「少し前にも値上げしたような……」という商品が多いことに気がつく。
5月30日には、はごろもフーズが「シーチキンマイルドEO」の70gを185円から210円に、140gを335円から385円になど、20品目を値上げすると報じられた。2022年以降、4度めの値上げだったこともあり、ネットでこのニュースに即座に反応した。
《企業努力の限界とは言え、短期間で4度の値上げはさすがに消費者離れに繋がる》
《今まで普通に食べていたものが全て、いつの間にか贅沢品になっていく》
《一度くらいの値上げなら 仕方ないと思うけど 4度はやり過ぎ》
そんな、悲鳴に近い書き込みが相次いでいる。
企業はなぜ、消費者の反発を覚悟で「ちょこちょこ」と値上げをするのだろうか。経営評論家の坂口孝則氏に聞いた。
「企業は、原材料をある程度の期間と金額を決めて、調達します。しかし、原材料の市況は大きく変わることがあるため、急激な価格上昇を読みきれず、見込み違いをしてしまいます。これが最近の値上げの大きな理由です。
さらに、この30年、企業は価格を上げることに弱気でした。ある大企業の社長が『本当は30円値上げしたかったけど、10円上げただけで客が激減した』という話をしていました。それもあって『軽微な値上げ』を繰り返すことにつながったのです」
坂口氏は「価格感度性」をキーワードにあげる。
「商品の値上げに対して、消費者がどれだけ敏感に反応するか、ということです。価格感度性が高い商品の代表は、トイレットペーパーなどの日用品です。10円の価格差が、売れ行きを大きく左右します。
一方、高級外車などは価格感度性が低く、価格が一気に100万円上がっても、売れ行きはそれほど変わりません。このため、軽微な値上げの繰り返しは、価格感度性が高い商品で繰り返される傾向にあります。消費者が『この程度は仕方ないよね』と、許容できる金額を落としどころにしているのです」
気がつけば、日用品への支出が大きくなるばかり……。いつになったら生活は楽になるのか。
( SmartFLASH )