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高速道路「2115年以降に無料化」で怒り噴出…改修費8兆3000億円に「これこそ将来世代へのツケ」との声も

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.06.02 19:30 最終更新日:2023.06.02 19:30

高速道路「2115年以降に無料化」で怒り噴出…改修費8兆3000億円に「これこそ将来世代へのツケ」との声も

いつ無料になるのか…(写真:つのだよしお/アフロ)

 

 5月31日に成立した「改正道路整備特別措置法」で、高速道路の有料期間を2065年から最長2115年まで延ばすことが決まった。最長なら、実に92年後まで高速道路の無料化が遠のいたことになる。

 

「もともと高速道路は、利用者が建設と更新費用を負担すべきとの考えに基づいて料金が徴収されています。そのため、返済が終われば一般道路と同じように無料にすることが原則なのです。

 

 しかし、1972年の田中角栄内閣のとき、赤字路線の建設費などを黒字路線が負担できるようにする『高速料金全国プール制』が導入されました。

 

 

 これにより、交通量が多い東名や名神高速などから地方路線にじゃぶじゃぶとカネが流れ、本来なら無料化されている高速道路も有料化が続くことになりました。

 

 かつて民主党が政権を取ったとき、マニュフェストに『高速道路無料化』を掲げていたため、一時は無料化の気運も盛り上がったんですが……」(経済担当記者)

 

 国民の多くも、もはや完全無料化など「絵空事」だと思っているだろう。ネットニュースのコメント欄でも、

 

《百年後に無料化するから嘘はついてない 自民党とはそういう政党なんです》

 

《できない約束するから おかしな話しなるわけだ》

 

《国民を欺くのは、お手のもの?!》

 

 といった怒りの書き込みが多い。

 

 しかし、政府は無料化する従来方針を変えていないようだ。なぜ「永久に有料」と言わないのか。

 

「それは『固定資産税』の問題があるからです。高速道路は無料化になることが前提ですから『公共財産』という解釈です。そのため、固定資産税は無料になっています。

 

 これが有料道路になると、『事業資産』となって固定資産税がかかってしまう。全国の高速道路を考えると数千億とも兆単位とも言われる莫大な金額になります。ひいては料金アップにつながってしまうので、永遠に『無料化する』と言い続けなければならないのです」(同)

 

 そして、有料化が続くことで、老朽化対策が急務になっている高速道路各社にとって “財源の裏打ち” という安心材料が生まれる。このことから、「今回の決定は無料化と老朽化対策を両立させる唯一の策」(政治担当記者)という皮肉の声まである。

 

 国土交通省は、老朽化対策として、改修費を総額8兆3000億円と見積もっている。コメントやSNSでは

 

《高速道路の有料制度は維持されるべきかな、と思います。 むしろこの機会に「維持、管理のコストを利用者が負担する為にも、無料化はしません」と明言しても良いのでは》

 

《料金を取らなかった場合、老朽化対策は税金でやることになる。打ち出の小槌は、ないんだよ。老朽化対策を後回しにして料金を低く設定していると、将来の施設のほとんどが老朽化してしまい、その時代の人たちが困るだけ。》

 

 と、「これこそ将来世代へのツケ」といった声もある。高速道路は大事なインフラだけに、誰もが納得いくような解決策が求められるのだが――。

( SmartFLASH )

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