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2人乗り「タンデム自転車」が東京でも解禁「電動キックボード」に続く規制緩和にドライバー困惑
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.07.10 16:15 最終更新日:2023.07.10 16:22
タイヤは前後にふたつ。サドルもハンドルもペダルも2人分あるが、ハンドル操作できるのは前席だけ。まるで2台の自転車が連結されたような「タンデム自転車」が、「改正東京都公安委員会規則」の施行により、2023年7月1日から都内での公道走行が認められた。
じつは、日本国内で公道でのタンデム自転車走行が未認可だったのは、東京都だけだった。
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関係者は「観光地を擁している地域では、レジャー目的での使用要望が多くあり、早くから公道走行が認められていました。東京都も、1人乗車であればタンデム自転車の公道走行は認められていたんですが、それだとバランスは悪くなるし、かえって危ない。そのため都議会などで、構造的にも安全が担保されている製品であれば、爆発的に増えている海外からの観光客にも利用してもらえるように、2人乗りでも公道走行を認めるという流れになりました」と、法改正に至った背景を説明する。
しかし、困惑する声も多いのも事実だ。
「2人でペダルを漕ぐわけですから、駆動力は通常の自転車の2倍です。タンデム自転車は『スピードを出しやすい構造』なんです。しかも車体が重く、一般的な自転車と比べて、止まるまでの距離が長くなります。また車体が長いので、危険回避のためにハンドルを切っても、すぐに方向を変えられません。坂道では勢いがつくので、恐怖すら覚えます」(ベテランサイクリスト)
タクシードライバーも不安視する。
「電動キックボードに続いて、厄介な乗り物が出てきましたね(苦笑)。都内は自転車走行ラインが多くなりましたが、いつも荷下ろしの車や、違法駐車が止まっています。そのため、自転車は車道に大きくはみ出してきますが、あんな大きな自転車だとはみ出しも大きくなるでしょうね。慣れていないとヨタヨタすることも目に見えます」
ネットにも《確かに下りの坂道で止まらなくなる事故が起きそう。可能性が在る危険な事象は、いつか必ず発生する。段差でバランスを崩しても、二人だとそのまま簡単に車道側に横転しそうですね》《駐輪場が対応していない→幅広タイヤすら対応していないので街中で路駐される》《初めてタンデム自転車が、車道を走っているの見ました。普通に車道走ったり、歩道を走ったりしてましたが、全長が長いので、ちょっと、ふらふらする場面もありましたね。近づかない様にしましたよ》と、危惧する声が多かった。
利用者には、安全第一を心がけてもらいたい。
( SmartFLASH )