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「増税メガネ」岸田首相の減税案は「1年程度の期限つき」に自民党内からも「それだけ?」疑問符
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.10.21 16:40 最終更新日:2023.10.21 16:40
10月20日、自民党の宮澤洋一税調会長は、減税を実施する期間について「1年というのが極めて常識的だろうというふうに思う」と語った。また減税の方法について、全員から一定額を差し引く「定額減税」を示した。
「増税メガネ」といわれる岸田文雄首相の目玉減税政策が「期限つき所得減税」だったことに、国民はもちろん、自民党内からも「それだけ?」の声があがっている。
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「最近は、首相自ら『増税メガネ』を自虐ネタとして使っているそうです。イメージ払拭のために、減税政策は不可欠でしたが、その結論が、所得によって減税額が変わらない『所得税の定額減税』になるようです。
自民党内には『所得の伸びが物価上昇に追いつくまでの“つなぎ”であるなら、最低でも3年は必要。1年は短すぎる。効果が出る前に終わってしまう』という意見が多いです。それに、減税額も年収400万円で2~3万円といわれますから、これで『減税しました』と胸を張られても……」(自民党議員秘書)
政治担当記者も「自民党議員からは『これが肝入り政策といわれたら、ショボすぎる』という声が聞かれます」という。
「所得税減税は、給与明細を見ても懐が潤う、という実感が薄いんです。『それだったら口座に直接入る給付金のほうが、国民の受けはいい』という意見が多いです。給付金は法改正も必要ありませんし、給付までの時間もかかりません。野党も、政策提言で給付金を入れていますので反対はしないでしょう」
さらには、こんな心配を口にする自民党関係者も。
「1年後に所得税を元に戻すとき、それが『増税』と誤解されてしまいそうです。しかも、2024年には年金制度の見直しがあります。そこでは国民負担も増えることが予想され、そうすると、一気に国民の不満が爆発します。岸田首相としては、解散総選挙で与党が過半数を維持して、9月の総裁選で再選、所得税減税の期限終了も年金制度の見直しも乗り切れる、と青写真を描いているのでしょうが、うまくいくかどうか」
今後、防衛増税や「異次元の少子化対策の財源」などの議論が活発になる。国民に『増税』を求めながら、一方で『減税』をするというのだから、臨時国会では野党から「政策の整合性」を突っ込まれることが予想される。
ネットニュースのコメント欄にも《給料表みたら、月30万後半の給料もらっても、所得税は一万円いかないです。住民税や社会保険料の方がよっぽど高いです》《期限つきって、期限内に所得が上がるのですか? 上がらないなら期限を設ける意味が分かりません》《低所得者にとっては、所得税減税なんてしてもらっても生活は楽になりません》といった、効果を疑問視する書き込みが多かった。
岸田首相がいう「成長の成果の適切な還元」は、この程度のものなのか。
( SmartFLASH )