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吉村知事「万博の経済効果3.3兆円」と力説するも「身内にやらせた試算」と呆れ声…算出したシンクタンクと「万博協会」役員が5人も一緒のトホホ
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.01.25 16:30 最終更新日:2024.01.25 17:48
1月24日、関西経済界でつくる民間シンクタンクのアジア太平洋研究所(大阪市)は、2025年大阪・関西万博の経済効果が2兆7457億円に上るとの試算を公表した。
会場整備費や運営費が上振れした最新のデータに基づいて計算したところ、2023年3月公表の前回試算から3698億円の増額。会場整備などの万博関連事業費が1兆4102億円、来場者の消費支出が1兆3355億円になると推計した。
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さらに、会場となる夢洲(ゆめしま)以外でさまざまなイベントが開催され、観光客が万博外のイベントや施設を訪れる「拡張万博」の取り組みが進めば、最大で3兆3667億円に上振れるとみている。これは、基準のケースより6210億円上振れる予想だ。
大阪府の吉村洋文知事は、同日、自身の「X」にこう書きこんだ。
《「拡張万博」効果含めて3兆3667億円民間試算→コストと経済効果。投資に対して大きな経済効果がある。ただ、万博の意義は経済のコスト効果だけでない。本日、ノーベル賞受賞者の吉野先生から万博の意義について講演とディスカッション。万博における未来メッセージの重要性。》
ところが「X」ではこんなツッコミの声が。
《この経済効果を試算した「アジア太平洋研究所」の役員には、万博協会の副会長が5人もいます。1人や2人じゃない、5人ですよ。つまり「身内」にやらせた試算なんですね。これ、ほとんど「やらせ」みたいなもんでは?》
たしかに、アジア太平洋研究所の「評議員」には、万博の実施主体である日本国際博覧会協会(万博協会)の副会長5人が含まれている。具体的には以下の5人だ。
・松本正義氏(関西経済連合会 会長)
・鳥井信吾氏(関西商工会議所連合会 会長・大阪商工会議所 会頭)
・角元敬治氏(関西経済同友会 代表幹事)
・塚本能交氏(京都商工会議所 会頭)
・川崎博也氏(神戸商工会議所 会頭)
同研究所が万博の経済効果を試算するのは今回で4回め。しかし、関係が近いと思われるシンクタンクが万博の経済効果を試算することに対して、SNSでは疑問視する声が出ている。
《アジア太平洋研究所は万博の役員だらけです。中立なシンクタンクないん?》
《大阪市と利害関係にあるアジア太平洋研究所の試算をそのまま信用することはできない》
《アジア太平洋研究所は万博を盛り上げるのが仕事の様な組織だと覚えておきたい》
NHKが2023年末に報じたところによると、政府は万博開催でどれほどメリットが生まれるのかを明確にすべきだとして、2018年に実施した経済効果の試算をやり直す方針だという。
アジア太平洋研究所以外の試算も見たいところだ。
( SmartFLASH )