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「検察にも裏金があった!」元明石市長が司法修習生時代の不正を回顧…思い出される「三井環」裏金告発の闇
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.02.09 11:00 最終更新日:2024.02.09 11:00
前明石市長で弁護士の泉房穂氏が、法曹界に存在した裏金について言及した。
2月7日、泉氏は本誌記事「検察はもみ消し、口封じも当たり前。安倍派5人衆の立件見送りも “裏取引” の結果では?」を引用して、「X」にこうポストした。
《遠い昔、30年ほど前の司法修習生のころ、「裁判官や検察官にも裏金がある」と、直接聞いたことがある。たとえばカラ出張。そのお金を総務の金庫にプールし、懇親会の会費や職員への餞別に充てたりしているとの話で、本当に驚いた。さすがに今はないと思うが・・・》
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検察の裏金問題を世に知らしめる大きなきっかけとなったのは、2002年の「三井環事件」。元大阪高検公安部長の三井氏は、裏金作りの実態を告発するはずだったテレビ収録の当日朝、逮捕された。しかも、過去に一度も立件されたことのないような微罪での逮捕だった。
三井氏は「逮捕は口封じ」とし、裁判で無罪を主張。実際、大阪高裁の判決では、「調査活動費の不正流用があったと言わざるを得ない」と、裏金化が一部認定された。調査活動費は1998年のピーク時に5億円以上あったが、三井氏の告発以降、急減した。
司法修習生時代に裏金の話を聞いたという泉氏が、本誌の取材に答えた。
「1995~1996年ごろ、検察修習のとき、裁判官から『カラ出張費を切って、そのお金をプールし、懇親会の会費の穴埋めをしたり餞別に充てたりしている。ほとんど全員がやっている』と聞いて、『そんなことしとんですか! あきませんやん!』と普通に言い返しました。
裏表があってかなわんなと思っていたら、2002年に三井環事件が起きた。あの話はホンマやったんやと。逮捕されたと聞いて、検察っちゅうんは、人を陥れるんやと愕然としましたね。
現職の公安部長だった三井さんが、テレビ朝日の『ザ・スクープ』で、検察が裏金を作っていて、自身もその一端を担っていたことを告白しようとしたところ、その収録3時間前にいきなり微罪で逮捕された。
さらに、簡単に保釈されず、結局、実刑判決を受けた。もう、通常では考えられないことです。まさに、検察、裁判所が組織をあげて、裏金のもみ消しをしたと取られても仕方ないような状況で、私にとっては鮮烈な記憶です」
泉氏の投稿には多くのコメントが寄せられているが、なかには裏金は「ここにもある」という指摘も――。
《私はかつて公務員でしたが、裏金のない職場はありませんでしたよ。ちなみにその職場は学校です》
《私も30年程前に、税務署にも有ると聞きました》
《以前、経済産業省の忘年会や飲み会を請け負っていた店で、今年の予算は余るからそれで旅行に行くと聞きました》
《ここだけの話(全世界発信ですが)教育公務員にもありました。某県は関連書類を焼き捨てたそうです》
こうした指摘が本当かどうかはわからない。だが、裏金を作る素地はどこの組織にもあるのだろう。
自民党の裏金問題は、かつて裏金を作った検察が捜査をおこなったことになる。今回、立件された議員は3人のみ。同じ不正に手を染めた者同士、なんらかの忖度が働いた可能性はないのか。泉氏は第三者機関の必要性を訴えている。