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「意識がなかったら喰われていた」早くも出始めたヒグマ目撃情報…本誌が報じた「襲われた男性」の恐怖体験
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.04.13 11:00 最終更新日:2024.04.13 11:05
4月11日、環境省は2023年度に、クマによって死亡したり、怪我をしたりするなどの被害を受けた人が219人に上り、うち6人が死亡、統計がある2006年以降、どちらも被害としては過去最悪の数値になったと発表した。また、発生件数も198件と最多だった。
「2023年は、本当にクマ被害が多い印象でしたが、統計がそれを証明しています。7割以上が東北地方に集中し、秋田県がとくに多かった。餌資源が少なかったことも影響しているようです」(社会部記者)
本誌は2021年6月、札幌市東区で発生した「ヒグマ襲撃事件」の被害者で、会社員の安藤伸一郎さんを、2023年7月に取材していた。
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出没したのは、体長約1.6mの雄のヒグマ。安藤さんら4人を襲って逃走し、8時間後に駆除された。
「生まれも育ちも東区ですが、ここらでクマが出たなんて、それまで聞いたことがなかったです」と安藤さんが話すように、襲撃された現場も、到底、ヒグマが出没するとは思えないような住宅街だった。
ヒグマは、安藤さんの背後から忍び寄ってきた。
「足音もなく、いきなり後ろからドンッときて、倒されました。車のような硬さではなかったので、人がぶつかってきたのかと思い、文句を言おうと思ったんです。
そうしたら、右腕を噛まれ……目が合ったときに、初めて“相手”がクマだとわかりました。その瞬間、死ぬかもしれないと感じて、ずっと『痛い』『助けてー!』と、大声で叫んでいました」(安藤さん)
一部始終を近隣住民が撮影しており、SNSやテレビで、安藤さんが体験したヒグマの“恐怖”は瞬く間に伝えられた。
「最初の衝撃では、もう何が起きたのかまったくわからず……。一撃で右側の肋骨が6本折れて、右肺には穴が空いて肺気胸に。背中を80針、両腕両足を60針縫いました。息苦しく骨が折れて痛いうえに、噛まれた箇所からの出血もひどかったです。
いったん、クマは離れたのですが、すぐに戻ってきて、再び襲われました。辛うじて丸まって、頭部や内臓を防御する姿勢が取れたのはよかったです。病院の先生からは『意識がなかったら、そのまま喰われて死んでいたよ』と言われましたね」(安藤さん)
その後、仕事にも復帰できるようになった安藤さんだが、取材時は、膝にサポーターを着けた左脚をかばうように歩いていた。
「これ(サポーター)がないと仕事ができないんです。神経が痺れている感じで……。もう治らないんじゃないかと」
と、悲痛な心境を安藤さんは話していた。
人身被害過去最悪の報道に、ニュースのコメント欄には
《クマの襲撃で亡くなられたのが6人だったのは、想定より少ないと感じた。ただ、亡くなってなくても重大な後遺症で苦しみ続けている人が多数だと推測される》
《クマによる外傷、スゴいよ 長年、救急・外科の臨床にいるけど、症例報告見たらさすがに身の毛もよだつレベル》
《もうすぐ冬眠から覚めたクマがエサを求めて山から下りてくる、そして山菜採りや釣り人と出くわし、襲ってくることは十分に考えられる》
など、心配する声が寄せられている。
ヒグマが多く生息する、知床地方の羅臼町では、冬眠から目覚めたヒグマの目撃情報がさっそく寄せられている。羅臼町のホームページには、2024年に入り、初めて3月25日に国後展望塔の海側付近で、4月4日にも旧町民スキー場付近で、それぞれ1頭ずつが目撃されている。
山はもちろんのこと、住宅街でも十分な警戒が必要だ。
( SmartFLASH )