社会・政治
絆會「特定抗争指定」の裏で出回る異例の “ターゲットLINE”…若頭逮捕で激化する六代目山口組との「潰し合い」新局面
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.06.10 16:34 最終更新日:2024.06.10 16:34
「顔写真とともに『弘道会がこの男を探している』といった連絡が入るのは、きわめて珍しい事態ですよ」
こう語るのは、都内在住の暴力団関係者だ。
2015年8月、六代目山口組から井上邦雄組長らが離脱して、神戸山口組を結成して以来の分裂抗争は、早くも丸9年を迎えようとしている。
【関連記事:千原ジュニア「酔ったヤクザ」に連れ去られるも舎弟が土下座謝罪】
神戸山口組からは、2017年4月に織田絆誠(よしのり)代表らが離脱して任侠団体山口組(現・絆會)が結成されたが、2024年6月5日には、その絆會に対して、兵庫県や大阪府など6府県の公安委員会が初めて「特定抗争指定暴力団」の指定手続きに入った。
「絆會をめぐっては、指名手配されていた金澤成樹(本名・金成行)若頭が2024年2月に逮捕されました。
金澤若頭は、2020年9月に、絆會を離脱した六代目山口組弘道会幹部への殺害未遂容疑のほかに、2022年1月に茨城県で六代目山口組系組員を殺害した容疑でも逮捕されています。
それに加えて、6月7日には神戸市でラーメン店を営んでいた、六代目山口組系組長の殺害容疑でも逮捕されました。
警察はそれらが絆會と六代目山口組の抗争事件と睨んで、両組織を特定抗争指定暴力団に指定するつもりです」(暴力団事情に詳しいジャーナリスト)
冒頭の暴力団関係者が見せたLINE画面に写るのは、一人の男の写真だった。これは絆會幹部のX氏だという。
そして、LINE上にはこのような文面が記されていた。
《弘道会の絆會に対する内偵は進められて来ましたが、ほぼ内偵作業が終了し、ターゲットを絞り込んだようです。
そのターゲットと言われるのが、絆會の中核を担うX氏であり、絆會の中では、資金力や若い衆の数がダントツであると言われています。
現在、弘道会がX氏を仕留めるために、写真が出回っています。》(※X氏は、原文では具体的な名前になっている)
一時、暴力団関係者の間では利用規約にある「反社条項」の影響から “LINE使用禁止令” が出て大混乱が起きたが、実際は現在も多くの組員たちがLINEを使用している。これと同じ文章と画像が多くの暴力団関係者に共有されているのだという。
誰がこのLINEを最初に送ったかは不明で、あたかも弘道会が絆會を追い込もうとしているように印象操作しているとも見える内容だ。
「金澤若頭の逮捕で、弘道会が次のターゲットをX氏に絞ったとしても不思議ではない。ただ、本当に襲撃したりするかと言えば、そうではないでしょうね。
こんな写真を添付して、敵対組織の組員を探したら、何かあった場合に真っ先に疑われる。『私が犯人だ』と言っているようなものなので、普通はこんなことしないですよ。
警察当局も、こうした情報が回っていることは当然把握しているはずです。それでも、あえて写真をLINEで共有したのは、別の理由が考えられます」(前出・暴力団関係者)
X氏は5月下旬、絆會に脱退届を出して引退したとの情報も流れている。
「LINEで写真が出回ったら、X氏はどこで襲われるかわからない状況になり、まったく身動きが取れなくなる。結果として、弘道会は動かずとも、絆會のいっそうの弱体化を狙えることになります」(同)
ヤクザ抗争も情報戦の時代になったのか――。
( SmartFLASH )