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吉村知事 またも“ズレ施策”…「65歳以上はコンビニATMで携帯使用禁止」実現可能性にツッコミの嵐
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.11.06 16:19 最終更新日:2024.11.06 16:19
連日全国で特殊詐欺グループが逮捕されているが、大阪府では、9月末時点の被害総額が約43億円に上り、2023年1年間の被害額を越している。中でも「還付金詐欺」に関しては、全国ワーストの13億円になるという。
2024年6月27日、大阪府の吉村洋文知事は「大阪では毎日、老後の資金を中心におよそ1000万円をだまし取られている」「もう看過できない」と記者団に語り、多くの高齢者が被害にあっている特殊詐欺への危機感を強めていた。ところが、吉村知事はこの対策に仰天のプランを持ち出した。
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「吉村知事は、65歳以上の高齢者について『ATMでの携帯電話の使用禁止、不自然な振込みを確認した金融機関の警察通報、コンビニのプリペイドカード販売では利用目的を確認する』などを義務づける条例制定を視野に入れ、審議会の立ちあげなどをしてきました」(社会部記者)
これだけなら何も驚かないだろうが……。11月5日に開かれた有識者会議で「コンビニ内に設置されているATMを、65歳以上の高齢者が通話しながら使用することを条例で禁止するべき」との意見がまとめられ、大阪府は2025年2月の府議会に条例案として提出することを目指しているというのだ。
「当初はコンビニだけでなく金融機関のATMも禁止に含む考えだったようですが、銀行などは無人ATMも多いことから引き続き検討課題になったようです。吉村知事は『理念条例ではなく義務規定にしたい』と実効性のある条例に向けて意気込みます。可決されれば全国初のケースだそうです」(同前)
さらに吉村知事は「おじいちゃん、おばあちゃんの老後の資金を守りたい」と意気込んだ。だが、「65歳以上の高齢者」に限定し、電話しながらの使用を「禁止」というのは、実現可能なのだろうか。自民党大阪府連関係者は、「行き当たりばったりの施策ですよ」と失笑を隠せない。Xにも、条例化の実現に疑問を呈するポストが数多く投稿されていた。
《65歳以上ってどうやって判別するのかな?》
《ATM操作してる人に、お歳はいくつですか?って、聞くの? 無人のATMの場合は?》
中には、《お得意のやるやるアピール》と吉村知事のかねてからの姿勢に対して懐疑的な声もXには投稿されていた。
「コロナ禍の防護ガウン代わりの『雨合羽作戦』に始まり、吉村知事の行う施策には、どこか府民からすればずれたものも多い。今回の『65歳以上の高齢者、通話しながらのATM操作禁止』というのも同じ路線で、案の定ツッコミが殺到しています。確かに特殊詐欺の被害は深刻化しつつありますが、もう少し実現可能な策を考えてもよいのかもしれませんね……」(同前)
高齢者を特殊詐欺から守ることは大切だが、中途半端な意気込みだけでは、本当に老後の資金を守ることはできないのではないだろうか。
( SmartFLASH )