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森永卓郎さん死去 代表作『年収300万円~』書名に周囲は大反対も「これで行きましょう!」即断しベストセラーに【本誌記者が明かす秘話】

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記事投稿日:2025.02.02 11:00 最終更新日:2025.02.02 11:00
出典元: 週刊FLASH 2025年2月18日・25日合併号
著者: 『FLASH』編集部
森永卓郎さん死去 代表作『年収300万円~』書名に周囲は大反対も「これで行きましょう!」即断しベストセラーに【本誌記者が明かす秘話】

こちらのお願いに応じ、いつも気さくにポーズをとってくれた森永卓郎さん(写真・長谷川 新)

 

 1月28日、経済アナリストの森永卓郎さんが亡くなった。享年67。2023年にがんが判明してからも、仕事ひと筋だった。

 

「2002年、東京・新橋のUFJ総研(当時)の一室で、毎週、2時間ずつ森永さんのお話をうかがいました。飄々(ひょうひょう)とした口調は、ブレイク前も同じでした」

 

 そう語るのは、2003年のベストセラー『年収300万円時代を生き抜く経済学』(光文社)のスタッフとして、森永さんをサポートした本誌記者だ。

 

「それまでの森永さんには、大ヒット作はありませんでした。そんななか、編集者が『年収300万円~』というタイトルを提案したのですが、当時の日本人の平均年収は約450万円。周囲は『いくらなんでも……』と、大反対しました。しかし、本人は『これで行きましょう!』と即断したのです。当時の小泉政権への批判も存分に盛り込み、37万部の代表作になりました」

 

 

 仕事場では、「今日も2時間しか寝ていません」と言いながら、いつもよれよれのYシャツ姿で現れた。

 

「写真を撮影するときには、着替えてネクタイ姿になるのですが、あまり変わりませんでした(笑)。床には資料が山積みで、いつも私が座る場所の本をどけてくれましたね」

 

 写真は2010年、本誌が「TPP成立で、牛丼1杯100円に?」というテーマで取材した際、ポーズをとってもらったもの。森永さんは「がんばってがんばって、50円下がればいいところでしょう」と答えた。のちに「日経平均3000円」を予言したが、それもけっして、奇をてらった試算ではなかったのだ。

 

 最期まで、変わらない庶民目線の森永さんだった。

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