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“トー横キッズ”支援の「日本駆け込み寺」前事務局長がコカイン所持容疑で逮捕、元仕事仲間が語る“相談者女性との関係”

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記事投稿日:2025.05.28 14:10 最終更新日:2025.05.28 14:10
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
“トー横キッズ”支援の「日本駆け込み寺」前事務局長がコカイン所持容疑で逮捕、元仕事仲間が語る“相談者女性との関係”

2025年5月18日に麻薬取締法違反(所持)の疑いで逮捕された田中芳秀容疑者

 

《一般事務員(前理事及び前事務局長)である田中芳秀が、本年5月18日に麻薬取締法違反により逮捕された件について、多大なるご心配をおかけしております》

 

 5月26日、公益社団法人日本駆け込み寺はXを更新し、18日に新宿区の路上でコカインを所持していたとして、麻薬取締法違反(所持)の疑いで逮捕された田中芳秀容疑者について、上記のような文書を掲載した。警視庁によると、一緒にいた20代女性も麻薬取締法違反(使用)の容疑で逮捕したという。

 

「日本駆け込み寺とは、歌舞伎町に出入りする若者たち、通称“トー横キッズ”を支援する団体として活動してきました。誰でも無料で相談できるサービスとして、メディアから取材を受けることもありましたが、今回、田中容疑者と一緒に逮捕された女性も相談者と報道されており、その支援の実態に懐疑的な声があがっています」(社会部記者)

 

 

 実際に、ボランティアとして日本駆け込み寺に携わり、田中容疑者とも仕事仲間だったことがある30代女性に話を聞いた。

 

「日本駆け込み寺って、以前は相談員が20人くらいいましたが、いまは2人くらいしかいないはず。相談員には時給1200円が発生するんです。週2回、1回4、5時間くらいの勤務で、電話を取って相談を受ける感じ。ただ、ぶっちゃけ、電話がじゃんじゃん鳴るわけじゃないんですよ。本当に相談員は2人で十分っていう感じで。一方で、ボランティアはフラッと来る人が多くて、平均すると1日5、6人。外でゴミ拾いしたりするのですが、1日中、やってるわけじゃない。終わったら事務所に戻って、みんなでだべったり、ダラダラしていたりするので、そのときに田中さんと顔を合わせたりしたりしていました。

 

 駆け込み寺の職員は代表理事の清水葵さんと、事務局長の田中さんしかいないんです。田中さんはもともとライターをやっていたそうですが、駆け込み寺を取材した縁で、共同代表の玄秀盛さんに誘われて、ここで働くようになったとか。ただ、ライターの仕事をなかなか辞めなくて、玄さんとよく揉めていました。お給料は月40万円くらいで、十分な額をもらっていて、近所に住んでいるので交通費もかからない。『ライターか駆け込み寺か、どちらか一方にしろ!』と、苦言を呈されていました」

 

 田中容疑者の周囲の評価はどうだったのか。

 

「玄さんやほかのみんなからの信頼は厚かったと思います。唯一の男性職員でしたし。駆け込み寺のほかに、ホスト問題に悩む当事者や親から相談を受ける一般社団法人『青母連(青少年を守る父母の連絡協議会)』というのもあるんですが、玄さんは代表を退き、田中さんに代表になってもらう方向で話していた最中だったんです。実際、青母連の運営は田中さんがほとんど取り仕切っていました。それが、あんな事件を起こして……。

 

 玄さんからすれば、23年もやってきた駆け込み寺の看板に泥を塗られたようなものですから、怒り心頭でした。田中さんは弁護士に『捕まる前日の5月17日に駆け込み寺を退職したことにすれば、迷惑はかからない』と提案していたそうですが、玄さんとしては『そんな逃げるような形は許さない』と、事件がかたづいても、責任をもって償ってもらうつもりのようです」

 

 周囲から信頼されていたという田中容疑者だが、不可解な行動をしていたこともあった。

 

「勤務中、フラッとどこかに行っちゃったりすることがありました。仕事はきちんとやっていた部分もあるんですけど、何時間も席に座っているタイプではなかったですね。行動がよくわからない部分はありました。

 

 本人は『女の子からの相談が夜中だろうとひっきりなしに来るから。それで寝不足になって』と言っていましたが、そもそも『相談員が個人的な連絡先を教えるのは禁止』と田中さんから口酸っぱく言われていたのに、当の本人がそれをやっていました。そういう形で、親しくおつき合いされてた女の子って、けっこう多かったと思いますよ。だから、相談者と連絡を取るのも、自分のための女の子探しなのかな、と思ったときもありました。事務所に田中さんがいるとき、駆け込み寺に必ず遊びに来る風俗の女性もいました。時間をつぶして、田中さんの仕事が終わるのを待って、一緒に帰るんです。

 

 玄さんも薄々、ご存じだったかもしれません。田中さんのそういった矛盾した行動について、誰ももの申せる人がいなかったんです」

 

 駆け込み寺は今後、どうなるのか。

 

「今回の事件が明らかになる前から、資金難を理由に相談員さんに辞めてもらっていましたし、はっきり言って厳しい状況でした。そんななか、田中さんは事務局長として、女の子や親御さんたちの相談に親身に乗って、がんばっていたと思います。悪質なホストの売掛金の処理の仕方や、法テラスの手続きなどをアドバイスしたり、ときには代行してあげたり。

 

 ただ、そうした業務全般も田中さんの逮捕を受けて、いまはストップしているようです。玄さんによれば、青母連はもうつぶすって話ですね。駆け込み寺は、つぶしはしないそうですが、それもわかりません。結局、続けられるお金があるかどうかだと思います。もともとお金がなかったのが、今回の件で余計に存続が厳しくなったのは間違いないでしょう」

 

 駆け込み寺は、冒頭の文書内で《再発防止のためのガバナンス強化・コンプライアンス体制の徹底を目指します》とコメントしている。生まれ変わった“寺”に、駆け込む人はいるのだろうか。

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