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ソフトバンク1期生・江川智晃の今は「精肉業」柳田悠岐の“宣伝力”を実感【元ドラ1選手のセカンドキャリア】
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.06.24 06:00 最終更新日:2023.02.17 17:09
2004年のドラフト会議で福岡ダイエーホークス(2005年から福岡ソフトバンクホークスとして活動)から1位指名を受けたのは、三重県・宇治山田商業高校の江川智晃(35)だった。
ソフトバンク1期生だった江川は2019年に現役を引退。今は精肉業「まるとも荒木田商店」で働いている。
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現在の仕事は食肉の加工、営業、販売、配達と多岐にわたるが、引退後に転身したスコアラーの経験が生きているという。
「パソコンは高校で少し習いましたが、全然わからなくて必死になって覚えました。スコアラーの仕事にはデータ分析などもあり、『こんなことをやってくれていたんだ』『みんなに支えてもらって野球をやっていたんだ』という気持ちが芽生えました。
現役中は野球に集中するだけでしたが、もっと人に感謝しながら取り組むべきでした。それはスコアラーをやって初めてわかったことです。野球も今の仕事も、一人では絶対にできない。人との繋がりは大事だな、とつくづく感じますね」
店の改装オープン時には、かつての仲間が支えてくれた。
「花を贈ってくれたり、肉を買ってくれたり、宣伝までやってくれました。その先陣を切ってくれたのが柳田悠岐選手や千賀滉大投手。キャンプ中の昼ごはんにウチの肉を買ってくれて、選手や裏方さんたちに提供してくれたんです。
彼らの影響力はすごいので、そこから多くのお客さんと繋がり、助かっています。プロ人生でいちばんの財産は、彼らと出会えたことです」
母親が一志町で養豚場を経営していることもあり、ゆくゆくは連携したいという。
「今は現場をまとめる立場で、肩書は『営業部キャプテン』。少しずつ販路は広がっていますが、これをもっと地元以外にも浸透させて、三重なら松阪牛があるように、豚だったら『一志の豚や』と言ってもらえるようにしたい。
野球界に恩返しをしたい気持ちもあるので、小中高生に向けて、自分のプロでの経験、よかったこともつらかったこともすべて伝えて、こういうことをすればプロ野球選手になれるかもしれないという気づきを与えられるような、講師を務めることも考えています」
自身の引退後の人生は軌道に乗り始めているが、現役中にやっておくべきだったと後悔していることがあるという。
「お金のまわし方を勉強しておけばよかった。プロ野球選手はお金の使い方が下手くそなんです。いつかは絶対にやめないといけないので、運用をしていれば、そういったときに知らん間に貯まっていて、そこから使えますからね。
ほとんどの選手は次のことをやらなければならないので、そこへすんなりいけるように、お金の知識は必要です」
えがわともあき
1986年生まれ 三重県出身 宇治山田商高を経てソフトバンクに入団。内外野手として活躍。2019年に引退後、2020年はスコアラーを務める。通算15年345試合183安打 打率.235。現在は精肉業「まるとも荒木田商店」営業部キャプテン