12月5日、兵庫県警は「ぱんちゃん璃奈」のリングネームで活動していた、キックボクシング選手の岡本璃奈容疑者(28)を詐欺容疑で逮捕した。
岡本容疑者は、6月に東京ドームで開かれた格闘技イベント「THE MATCH 2022」で配布された限定ポスターに、出場した那須川天心と武尊2人の偽サインを記入し、「直筆サイン入り」などと虚偽の説明で販売した疑いがある。岡本容疑者は容疑を認めている。
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岡本容疑者は、2019年2月にプロデビュー戦を勝利で飾ると、その後も無敗で勝ち星をあげ続けた。2022年3月には喜多村美紀を下し、キックボクシング団体「KNOCK OUT」のKNOCK OUT-BLACK初代ミニマム級王座を獲得している。
現役王者の逮捕とあって、格闘技界からは事件に対するコメントが続々と聞こえてくる。
総合格闘家の青木真也は、逮捕が明らかになった直後、自身のツイッターで《モラルの問題 小悪党というか、ほとばしる小物感。》と一刀両断。
元K-1ファイターで総合格闘家の平本蓮も、ツイッターで《なんか最初っからパンちゃりは怪しい人だと思ってたんスよ!》《こんな詐欺して天心の事、格闘技ファンの事 舐めすぎでしょ》と、痛烈批判を繰り広げている。
逮捕から3日経った12月8日でも言及するコメントはまだ多い。
元ボクシング世界王者の竹原慎二氏は、自身のYouTube動画で「生活費のためだったら働けよ。バイトしろよ。コンビニで働けよ」と厳しく非難。また、元警察官で格闘家の関根 “シュレック” 英樹は、《仲間として被疑者に寄り添うのも大事だが、先ずは被害者感情に寄り添うべきだろう》とツイートしている。
「じつは、この前日、“利用された” 那須川選手がInstagramのライブ配信で事件に言及し、『あれはもう仕方ない。僕のサインでよければその人に書いてどうにかならないか』と、岡本容疑者を擁護するような発言をしていたのです。
これを報じたニュース媒体がありましたが、現在は記事が削除されており、そのことも騒動を大きくしている印象です」(ネットニュース編集者)
一方で、無言を貫いている “格闘技界の大スター” もいる。ユーチューバーとしても活躍する、朝倉未来だ。
「朝倉選手は、自身のYouTube動画で、岡本容疑者と何度もコラボしていました。朝倉選手がスペシャルアドバイザーを務めている『Breaking Down』でも、逮捕前日の大会に岡本容疑者が来場しており、インタビュー動画が公開されるなど、友好的な関係でした。
朝倉選手は、11月9日、せりな(和田静里奈)選手と契約を結んだことをYouTubeで明かしましたが、その際には『ぱんちゃん目標に、もう超えていくぐらいの感じでやっていってもらって』と、岡本容疑者を持ち上げる発言もしていました」(同)
そんな岡本容疑者だが、10月17日には自身のInstagramで王座ベルトをブラジャーに模した “ベルトブラ” 動画を公開し、一部の格闘技ファンから批判を浴びていた。
さらにキックボクシングの実力にもこんな見方が。
「王座を獲得し、ここまで13戦全勝でしたが、その内容を見ると、KO勝ちは2回だけで、残りはすべて判定での勝利。対戦相手も通算戦績で負け越している選手が多く、“本当の実力” には疑問符がついていたんです。
しかし、写真集を出したり、メディア露出も多かった岡本容疑者の影響力を、格闘技界も無視できなかったのでしょう。どんどん大きなイベントで試合をするようになっていきました。
結果として、その影響力ゆえに、格闘技界全体に大きな負のイメージを与えてしまったわけですが……」(格闘技担当記者)
岡本容疑者の逮捕に関する選手・関係者からのコメントは収まる気配がなく、いまだ騒動は燻り続けている。それは、皮肉にも、格闘技界がインフルエンサーに頼りすぎていた結果なのかもしれない。
( SmartFLASH )