WBCの1次ラウンドで連勝を重ねる、侍ジャパン。中国、韓国戦でもっとも注目を集めたのは、カージナルスに所属するラーズ・ヌートバー外野手だ。
「日系外国人選手として、初の代表入りとなりました。ロサンゼルス生まれで、日本語はほとんど話せません。生粋のメジャーリーガーですから、当然、WBCが始まるまでは、その存在を知る野球ファンは少なかったでしょう」(スポーツ紙記者)
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ところが、日本名の「榎田達治」から、チームが専用の“たっちゃんTシャツ”を用意し、大谷翔平が“ペッパーグラインダー”パフォーマンスを披露するなど、ヌートバーを熱烈歓迎したことから、知名度が急上昇。試合が始まると、誰よりも熱の籠ったプレーでファンを魅了した。
「中国戦では、先制点のチャンスをつくり、6打席で5度出塁と出塁率も抜群。さらに、3回にはセンター前の打球をスライディングキャッチし、守備でも存在感を示しました。韓国戦でも勢いはやまず、3回表に韓国が3点リードと暗雲立ち込めましたが、3回裏にタイムリーを放ち、一気に日本の“イケイケモード”に試合の流れを変えました」(前出・スポーツ紙記者)
チームメイトの好プレーに誰よりも喜び、6回のデッドボールには“イラッ”。喜怒哀楽を全面に出すムードメーカーに日本中が、夢中だ。
ヌートバーの力は、高校時代の“二刀流”で培われた、と現地紙記者は語る。
「彼の選手としての強みは、長打力もありますが、なんといっても選球眼。昨季は51個の四球を選び、四球率はメジャー全体の上位2%に入りました。その並外れた選球眼と出塁率を見込まれ、3、4番を除く全打順で起用されています。
ヌートバーは、野球の名門校・エルセグンド高校出身で、アメフトと野球の両方で複数回MVPに輝くなど“二刀流”選手として活躍していました。その後、野球の道を選び、2018年にカージナルスに入団。
日本では驚かれますが、米国では学生時代に複数の競技を掛け持ちすることは、ごく当たり前のこと。幼いころにいろんな競技を経験すれば、さまざまな筋肉やセンスが鍛えられます。現にヌートバーの強肩は、高校時代にアメフトのクオーターバックとして活躍したからこそ。彼は、日本では生まれえない、新種の“怪物”なのです」
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( SmartFLASH )