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WBCエキサイトシートから捕球を試みた少年が物議【繰り返されるファンによる守備妨害】

スポーツ 投稿日:2023.03.18 14:35FLASH編集部

WBCエキサイトシートから捕球を試みた少年が物議【繰り返されるファンによる守備妨害】

WBC準々決勝で笑顔を見せる吉田正尚(写真:CTK Photo/アフロ)

 

 ファンによる守備妨害が、また繰り返された。

 

 日本代表「侍ジャパン」が、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準決勝進出を決めた3月16日のイタリア戦(東京ドーム)。大谷翔平が先発したこの試合で、4回、イタリアの攻撃中にアクシデントは起きた。

 

 一死一塁でB・サリバンが放った打球は、三塁側エキサイトシート横のファウルゾーンへ。サードの村上宗隆とレフト吉田正尚が打球方向へと駆け出したが、この白球を捕ろうとエキサイトシート前列のファンが身を乗り出しグラブを構えた。

 

 

 村上より早く白球に迫っていた吉田はそのファンの動きを見て走る速度を緩め、結果、白球はグラウンドのエキサイトシート柵際へ落下。ファンのグラブに当たって落ちたようにも見えた。

 

 実際に両選手が捕球できたか際どいタイミングだったものの、このファンの行為にネット上では、

 

《明らかにプレーの邪魔をしてるという時点で、本当のファンではないんだろうね 勝ったからいいようなものの、勝敗を分ける様な妨害だったらどうなってたか》

 

《見てたけど選手頑張っても取れては無かったで。まぁ客のマナーは悪いと思ったな》

 

《特定されるんだろうな。自業自得だけど》

 

 など批判的な声が殺到。ツイッターでは「ファールボール」「エキサイトシート」がトレンド入りした。

 

 WBCで、ファンによる捕球行為が物議を醸したのは、今回が初めてではない。

 

 2017年のWBC。3月7日に東京ドームでおこなわれた日本―キューバ戦では、山田哲人が放ったホームラン性の当たりを外野フェンス際の少年が、柵から腕を出してキャッチ。判定は二塁打になってしまう。

 

 少年の捕球がなければ入っていたようにも見えたが、捕球直後の少年は、グラブを高らかと掲げて得意げにアピール。しかし、この行為は当然、物議を醸し、のちに少年はネット民に自宅を特定され、自宅の庭にカラーボールを投げ込まれたりもした。

 

 2006年の第1回WBCでもファンによる守備妨害が起きている。米アナハイムでおこなわれたWBC第2ラウンドの日本―韓国戦、韓国の攻撃中。

 

 観客席寄りのファウルフライをライトのイチローが追いかけていき、ジャンプして捕球態勢に入るも、韓国のファンの妨害で捕球できず。これには、ふだんはクールなイチローが、アクション混じりに怒りを露わにした。イチローは守備に戻ろうとするも暴言を吐いてきた客に対して振り返って、何やら言い返すという一幕があった。

 

 WBCだけではなく、日本のプロ野球でも、こうしたファンによる妨害は後を絶たない。

 

 2022年6月26日に楽天モバイルパーク宮城でおこなわれた楽天―西武戦では、楽天の攻撃中にアクシデントが起きた。楽天・茂木の放った左翼ファウルグラウンドフェンス際への打球を、グラウンドとの距離が非常に近い三塁側フィールドシートの観客が腕を伸ばしてキャッチ。

 

 すでに西武の左翼手オグレディが捕球態勢に入っていたため三塁塁審はアウトと判定。「観客の妨害があった」と場内へ説明をおこなった。スポニチ西武担当のツイッターアカウントは、その瞬間を客の顔にモザイクを入れずに掲載。当該のファンは家族で観戦に来ていたようだが、周りの楽天ファンからの白い目に耐えられなかったのか、試合途中で帰ったという。

 

 2021年5月1日に楽天の本拠地でおこなわれた楽天―千葉ロッテ戦では、楽天の攻撃中、楽天・小深田が三塁側観客席ぞいに放ったファウルフライに対し、ロッテのレフト角中が捕球態勢に入ったところ、スタンド(三塁側フィールドシート寄り)の観客が立ち上がってフィールド内に両手を伸ばし、角中は捕球できず。三塁塁審はファウル判定をするも、角中は観客を一瞥し、憮然とした表情で守備に戻っている。

 

 2012年10月15日に西武ドームで、パ・リーグのクライマックスシリーズとしておこなわれた西武―ソフトバンク戦は、ソフトバンクが勝てばファイナルステージ進出を決める大事な一戦。試合は1点差の中盤で、西武の攻撃中。西武はすでに2アウト、あとアウト1つで攻守がチェンジになる場面だった。

 

 西武の選手が放った観客席近くのファウルフライを、ソフトバンクのファースト小久保が懸命に追いかけていく。小久保が捕球態勢に入ったところで、フィールドシートの観客が捕球しようとして、小久保の守備を妨害する形に。白球はグラウンドへと転がった。

 

 ファンの妨害がなければ明らかに捕れていただけに、小久保は怒りを露わに。左手のグラブを思い切り柵に叩きつけ、ファンを睨みつけながら守備に戻るという一幕だった。

 

 このように、ファンによる守備妨害は定期的に起こっているのが現実だ。

 

 選手の打球をキャッチしたい気持ちはわからなくもない。しかし、たった1人のファンの身勝手な行為が、試合をぶち壊してしまう可能性があるということを、真の野球ファンなら肝に命じておくべきだろう。

( SmartFLASH )

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