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栗山監督が明かした「もうひとりの日系選手」侍ジャパン参加が幻に終わったクワン選手は「祖母と花札を」

スポーツ 投稿日:2023.03.24 20:17FLASH編集部

栗山監督が明かした「もうひとりの日系選手」侍ジャパン参加が幻に終わったクワン選手は「祖母と花札を」

写真:AP/アフロ

 

 3月23日、メジャー組を除いて成田空港に帰国したWBC日本代表「侍ジャパン」。

 

 日系戦士ヌートバーを1番レギュラーで起用し、結果的に14年ぶり3度目の世界一を勝ち取った栗山英樹監督は、帰国後初のメディア出演となった『報道ステーション』(テレビ朝日)で、実はもう1人、日本にルーツを持つ外国人プレーヤーを侍ジャパン入りさせる構想があったことを明かした。

 

 その選手は、クリーブランド・ガーディアンズ(2021年までインディアンス)に所属するスティーブン・クワン外野手(25)だ。いったいどんな選手なのか? スポーツ紙記者が語る。

 

 

「クワンは、父は中国系アメリカ人で、母は日系アメリカ人。母方の祖父母は日本の山形県出身です。

 

 身長は175cmとメジャーの選手にしては小柄ですが、走攻守三拍子揃った外野手で、バッターとしては、高い出塁率と空振りの少なさが特徴。『ベイビー・イチロー』という異名も持っていて、本人も『イチローのような選手になりたい』と語っています。

 

 2022年にメジャー初昇格を果たすと、147試合に出場し、打率.298、出塁率.373のハイアベレージを記録しました。守備もアグレッシブかつ堅実で、ゴールドグラブ賞を獲得したうえ、新人王争いでもリーグ3位に入った逸材です。

 

 昨年1年だけの実績で見れば、ヌートバーよりはるかに高い成績を残している選手です」

 

 そんなクワンをスカウトしていたのが、誰あろう大谷翔平だ。2022年9月12日におこなわれたエンゼルスとガーディアンズの試合前、大谷はクワンに「日本代表でプレーしないの?」と声をかけている。

 

 クワンは「自分のルーツがある国を代表できるような機会があれば本当にクールだ」と言ったようで、その後、水原一平通訳と連絡を取り合い、代表入りを心待ちにしていたという。

 

 WBCの出場資格は、

 

(1)その国の国籍を持っている
(2)その国の永住資格を持っている
(3)その国で生まれている
(4)親のどちらかがその国の国籍を持っている
(5)親のどちらかがその国で生まれている
(6)その国の国籍、またはパスポートの取得資格がある
(7)過去WBC大会で、その国の出場枠に登録されたことがある

 

 というもの。アメリカ生まれ・アメリカ育ちで、国籍もアメリカのクワンがWBCの日本代表になるには、唯一満たしている可能性があった「6」が重要だったが、結果は落選となってしまった。

 

 落選を知ったクワンは、こうコメントしている。

 

「これは僕の想像でもあるけど、自分あるいは親が日本のパスポートを持っているかどうかが基準になっているんだと思う。

 

 でも、他のチームで例外が認められているのも知っている。だからなんとか解決策が見つかるといいんだけど、現時点では僕は代表資格が認められていない。すごく落ち込んでいるよ」

 

 しかし、クワンの「他のチームでは例外が認められている」との発言は、早とちりの可能性もある。前出のスポーツ紙記者が語る。

 

「日本やキューバは、アメリカや英国などと違って二重国籍を認めない国ですからね。ヌートバーの母親・久美子さんは日本人ですが、クワンの母親は日系アメリカ人で、第二次世界大戦後にカリフォルニア州で生まれています。クワンのお母さんが日本で彼を出生していれば、参加できた可能性が高そうです」

 

 クワンによれば、水原通訳は、ギリギリまで彼の侍ジャパン入りを実現させるべく動いたそうだが、結果的には実現に至らなかった。

 

「山形には、いまも親戚が大勢いる」と言うクワンは、「長い間、僕はおばぁちゃんの近くに住んでいた。夏休みはおばぁちゃんと一緒に過ごしていた」と語っており、祖母が近所のお祭りで天ぷらを揚げたり、一緒に花札をやったことを覚えているという。

 

 もし侍ジャパンへの参加が実現していれば、ヌートバー同様、熱狂的に迎えられた可能性が高いクワン。はたして、3年後のサプライズはあるだろうか?

( SmartFLASH )

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