「メジャーへの興味は、高校に入って最初に声をかけてくれたスカウトがメジャーリーグの方だったので、そこがきっかけかな。そういう環境で自分を磨いたらどう成長できるのかなと、自分自身に対する興味がありました」
11月11日、大谷翔平(23)がメジャー移籍を宣言。そこで重要となるのが代理人選びだが、意外な人物が選ばれた。
その人物とは、ロスに本拠地を置くCAA所属のネズ・バレロ氏(54)だ。彼は1985年、MLBドラフトでマイナー 契約。メジャーを目指したが夢破れ、1994年、現職に転身した。
「選手がフェアに扱われ、オーナーが得ているものと彼らが得るものを等しくしたい」との信念のもと、2017年の世界スポーツ代理人ランキングは16位。報酬は約32億円(フォーブス誌発表)にも及ぶ敏腕代理人である。
なぜ、大谷は彼を選んだのか。
「これまで日本人選手が代理人を選ぶ場合、先輩メジャー選手からの紹介がほとんどだった。だが今回、大きな影響力を持っていたのは母校・花巻東の佐々木洋監督だった。バレロ氏はいち早くその情報をキャッチし、極秘来日。佐々木監督に何度も会って口説いた。同校出身の菊池雄星(西武)とも契約間近だと聞いている」(スポーツ紙記者)
もうひとつ決め手がある。
「大谷は『日本人がいない球団』を移籍の条件に挙げるなど、向上心が強い。さらに野球だけではなく、見聞を広めたがっている。CAAの顧客のなかには、野球以外でもサッカーのC・ロナウド、ベッカム。俳優ではトム・クルーズ、ジョニー・デップ。歌手ではレディー・ガガ、ボブ・ディランと大物ばかり。契約すれば、彼らと交流することも可能になる」(前出記者)
今回のポスティング制度だと、日本ハムが得る譲渡金は約22億円。大谷の契約金も最大で約4億円と、これまで海を渡った先輩日本人メジャーリーガーに比べれば大型契約ではない。
「選手の報酬が少なければ当然、代理人の稼ぎも限られる。それでも買って出た最大の理由は先行投資。要するに、大谷は将来的に巨額年俸を稼げる選手と見込んでいる。
さらに現在、米大学選手のなかに二刀流の有力選手がいて、一緒に売り出せば、よりいっそう大谷の付加価値がつくという戦略があるようだ。
また、CAAはショービジネスにも太いパイプがあるから、彼のドキュメンタリー映画を製作する可能性もある」(メジャースカウト)
(週刊FLASH 2017年11月28日号)