11月10日のブラジルとの一戦は1-3で敗北。点差だけ見れば日本の健闘に映るが、ブラジルが前半で早々と3点入れたことで、後半は得点を狙わず、球回しに終始したうえでの結果。点差以上の惨敗だった。
なかでも攻守ともに圧倒された中盤は、日本の課題が浮き彫りとなった。今遠征で招集外となった香川真司(28)は、個人で変化をもたらすことができる存在だっただけに、その不在はブラジルにとって大きなアドバンテージとなってしまった。
代表メンバー発表翌日の11月1日、香川は「なぜこのタイミングっていうのは感じます。半年後のW杯に向けたガチの戦いを、今僕たちが積み上げてきた戦いをやれる絶好の機会だと思っていたのに」と悔しさをにじませた。
じつはブラジル戦前、その香川を巻き込んだある “事件” が勃発していた。試合を告知するポスターが、仏・リールの街やスタジアム付近に数多く貼られていた。日本、ブラジルのそれぞれ6選手が写っているが、中央で主役を張るのがブラジルのネイマール(25)と香川だったのである。
また、ブラジル戦がお披露目であり、ロシアW杯で着用する新ユニホームが11月6日、スポンサーの「アディダス」から発表されたが、そのポスターのモデルも香川だった。運悪く、まさに “主役” 抜きの宣伝が2つ続く格好となったのだ。そのあおりを食ったのが、日本代表の大スポンサーの「アディダス」だ。
「同社は日本サッカー協会の公式スポンサーで、2023年までの8年契約で250億円もの大金を払っている。それだけに、代表のエース番号とも呼ばれる10番は、同社と個人契約している選手がつけることが不文律。
それを名波浩、中村俊輔に続き、香川が受け継いだ。過去、新ユニホームを発表するときは、彼らが広報役を務めた。
ところが香川が外れたことで、今回の強化試合の10番は乾貴士。しかし乾の個人契約はアシックスのため、アディダスはメンツを潰された格好になった」(協会関係者)
じつは、アディダスと契約し、10番をつけながら大事な一戦の前に外されたのは香川だけではない。2002年日韓共催W杯前、中村は司令塔として、大いに期待されていた。その証拠に渋谷東急には、中村がアディダスの代表ユニホームを着た巨大ポスターが掲げられていた。だが、まさかの落選。
「このときアディダスジャパンの社長以下が、大激怒した。今回、香川を外したタイミングも最悪だし、2度めとなれば、その怒りは相当なもの」(サッカーライター)
本誌はアディダス広報部に問い合わせたが、「選手個人の契約状況や、スポンサードに関してはお答えしないことになっています。また、中村選手は2002年のW杯では選ばれませんでしたが、弊社との関係は続いております」と、大人の回答だった。
ハリルは「前半は残念な結果。ただ後半は我々が勝っていた」と強気のコメント。“負け犬の遠吠え” を香川はどう思う。
(週刊FLASH 2017年11月28日号)