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「やりたい放題」“金満サッカー”批判の町田ゼルビア、1カ月で日本代表2選手獲得し首位爆走にくすぶるファンの不満
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.08.16 06:00 最終更新日:2024.08.16 06:00
J1の町田ゼルビアが、イングランド2部ハダースフィールドを退団した、日本代表DF中山雄太を完全移籍で獲得したと発表されたのは、8月14日のことだった。現在、町田はJ1で首位を走っているが、2位鹿島とはわずか勝ち点3差。初優勝のための補強だが、7月にはカタールW杯代表でもあったFW相馬勇紀を獲得したばかりだったため、サッカー界を驚かせた。
町田を指揮するのは、過去に青森山田高を率いて、高校サッカー選手権、高校総体などで何度も日本一に導いた黒田剛監督だ。とはいえ、プロの監督は初経験であるため、町田を率いることには懐疑的な意見が多かったのも事実だ。
ところが、2023年シーズンからチームを率いると、いきなりJ2初優勝。J1初昇格を果たした。2024年も快進撃は続き、第26節終了時点でトップを維持して、優勝争いをリードしている。
ただ、こうした快挙に対して厳しい見方が多くある。それはなぜか。
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「まずプレースタイルでしょう。パスをつないで組み立てるのではなく、基本的には引いて守りを固め、速攻に活路を見出す。その部分だけを取り上げて、『美しくないサッカー』と、拒否反応を示すファンは多いんです。また、黒田監督が青森山田高時代によく用いたロングスローが多いことから、ネット上では『高校サッカーか!』と揶揄されていました。プレーもかなり激しく、反則すれすれのものも多い。逆に、相手チームに同じようなことをされるとオーバーに倒れたり、時間稼ぎも多かったりなどと、批判されています。
また2022年11月、サイバーエージェント社長の藤田晋氏がオーナーに就任しましたが、その豊富な資金力で他チームの主力を“強奪”するといわれています」(サッカーライター)
7月の相馬が、まさにそうだった。ポルトガルから古巣・名古屋に復帰したが、今季末まで保有権を持つ名古屋から町田に移籍したことが、名古屋サポーターには“強奪”と映ったのかもしれない。加えて中山の獲得。獲得は自由競争とはいえ、おもしろくないと感じるファンも多い。Xでは、批判的な意見が多く寄せられている。
《町田の補強が止まらない。やりたい放題、お金は使い放題で原GMは楽しくて仕方ないだろう。中山が取れるかわからなかったからレンタルでDFも補強していた。そして中山チャレンジも成功》
《ま、自由競争だから本当に町田に決まってしまったらもうどうしようもないし、その決断を受け入れるしかないんだけど、個人的な感情で言えばあのサッカーに染まったプレーをする中山雄太を見たくないって気持ち。それだけ。》
《相馬を名古屋で一試合出して移籍させたり中山雄太を強奪したりと柏サポーターの心をえぐる町田ゼルビアというチームを心から憎むようになった》
《町田金満すぎ〜!町田の時代が来てしまうのかー?》
一方で、前出のライターは冷静に分析する。
「相馬、中山の獲得にはいろいろ言われていますが、7月に五輪日本代表で左MFの平河悠がブリストル・シティ(イングランド2部)に移籍することが決まったため、その穴を埋めようとしただけなんです。藤田オーナー以下、チームは早めに手を打ったので、むしろ評価されるべきでしょう。しかし、強すぎるゆえのやっかみも混ざって批判が多くなっているのだと思います」
J1は1993年に始まり、1999年からJ2も誕生したが、J1昇格1年めで優勝したチームは、柏レイソルとガンバ大阪だけ。ただ、ともにJ1の経験はあった。もし町田がJ1を制することになれば、初めてJ1経験のないチームの快挙ということになる。
( SmartFLASH )