
稀代のヒットメーカーで、元プロ野球選手の張本勲さんが亡くなった。「2026年9月9日午前にご逝去されました」と日本プロ野球名球会が9月10日に発表した。享年86。
東映(現日本ハム)、巨人、ロッテで活躍し、通算23年のプロ生活で積み重ねた安打数は、日本プロ野球記録となる3085本にも及んだ。いわゆる “安打製造機” だったが、504本塁打、319盗塁と、長打力にスピードまで兼ね備え、まさに、記録にも記憶にも残る名選手だった。
引退後は監督、コーチに就くことなく、短期で各チーム、選手を教えていった。
評論家活動とともに、張本さんの名を一躍有名にしたのが、『サンデーモーニング』(TBS系)でのスポーツ全般の評論。プレー以外でも態度などが悪ければ忖度なしに「喝!」を与え、負けても立派な戦いを見せれば「あっぱれ!」と称した。歯に衣着せぬ物言いで、ときに大きな議論を呼んだこともあったが、その語り口調は、まさに “球界のご意見番” と言えるものだった。
「ドジャースの大谷翔平への言葉は、誰よりも厳しく、そして優しかった。2013年、二刀流として日ハムに入団した大谷に対し、張本さんは『あれだけの素材。絶対に投手に専念すべき』と一貫して投手専念をすすめていました。
しかし、本人のやる気と、その資質を知るにつれ、苦言より助言が増えていきます。それは2018年、ロサンゼルス・エンゼルスに戦いの場を求めると、より顕著となりました」(スポーツ記者)
大谷はMLB最初のキャンプ、オープン戦でもがき苦しんでいた。自慢の速球が通じない。バットを振れども、快音は聞かれなかった。そこで張本さんの出番となった。
『サンモニ』で、まったく通用しない打撃に関して助言を求められた張本さんは、大谷のトレードマークにすらなっていた一本足打法を指摘した。
「右足を上げる一本足打法は、やめたほうがいい。それでなくてもMLBの投手の球は、不規則に動くから。いますぐ、すり足打法に変えたほうがいい」と、自身も実践していた打法をすすめた。
「この放送を大谷が見ていたかどうかはわかりませんが、大谷はオープン戦後半から一本足打法をやめ、すり足打法へと変わっていきました。すると徐々に快音が聞かれ始め、シーズンに入ると、そこから大谷快進撃が始まっていくのです。時期的に言っても、張本さんの発言に大谷が影響を受けた可能性は高いでしょう」(スポーツ紙デスク)
張本さんは「(大谷は)投手一本なら25勝できる」と投手専念を説いていたが、二刀流での成功、とくに打撃で次々に前代未聞の記録を達成すると、その考えも変わっていった。
2024年、MLB史上初「50-50(54本塁打、59盗塁)」を達成すると「大あっぱれですよ!」と満面の笑顔で讃えた。
大谷はいま、ポストシーズンを目前に控える。彼の活躍を、張本さんはどうみているだろうか。
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