エンタメ・アイドル
M-1ファイナリスト「ゆにばーす」唯一の男女コンビは “夜の匂い” がしないストロングスタイル
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.12.12 18:20 最終更新日:2021.12.12 18:21
初代王者・中川家から始まり、アンタッチャブル、サンドウィッチマンなど数多くの人気芸人を世に出してきた、漫才日本一を決める「M-1グランプリ」。昨年はマヂカルラブリーが、激しい動きと、自ら「リモート漫才」(村上)と称したほど距離をとったままの異色漫才で優勝。「これは漫才か? 漫才じゃないか?」論争を巻き起こし、年が明けてもしばらくその余韻は続いた。
【関連記事:M-1ファイナリスト「真空ジェシカ」アンタッチャブル以来の “人力舎王者” で念願の主人公になれるか】
SmartFLASHでは、今年もM-1グランプリ2021決勝に駒を進めたファイナリスト9組を直撃。12月19日(日)の決勝までの毎日、1組ずつ紹介していく。
3組目はファイナリスト唯一の男女コンビである「ゆにばーす」。2017年から2年連続で決勝進出を果たすが、本番では好成績を収められず。決勝前で涙を飲んできた2年間を経て、今年念願のファイナリストに返り咲いた。かねてから「M-1で優勝したら芸人を引退する」と公言するほどM-1にかけてきた川瀬名人と、自らを「一番 “夜の匂い” がしない男女コンビ」と称するはら。「川瀬を引退させないために、ゆにばーすにだけは勝ちたい」と多くの芸人が言うなか、男女コンビ初の王者となり、今年こそ「引退問題」に決着をつけられるか。
――3年ぶりの決勝進出おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください。
川瀬名人 (しみじみと)いやぁ、ホッとしていま……
はら (大きな声で)ありがとう! ですね!
川瀬 一緒にしゃべんな! これまでもけっこうな取材をやってきてるのに、なんでカブるねん! すいません。ホッとしているのが強いですね。
はら 私はありがとうという気持ちでいっぱいです。すべてに感謝しています。
――準決勝までを振り返っていかがでしたか。
川瀬 M-1の予選って、M-1のことを好きな人たちが観に来るものだと思っていたのですが、コロナ禍もあって足を運べない人も増えたのか、お客さんの層がまったく違うなと感じたのが今年の3回戦でした。例年はだいたいどのネタをすればウケるかなという勘が働くのですが、それが働かなくて。3回戦の結果が一番怖かったですね。今は芸人も各々がYouTubeでネタをどんどん披露していて、お笑いの見方も変わったし、お客さんの層も入れ替わっている感覚が強かったです。
準決勝は終わりよければすべてよしなんですが、満点の出来ではなかったです。いつもよりパフォーマンスがよくなかったので、(決勝に)通るのは30%くらいかなと思うようにしていました。これは、落ちたときのショックを和らげることも含めてですが。
はら 今年の予選は今までに比べてもかなり決勝に近い戦いをしてきたと思います。ネタもギリギリで毎回変えたりして、1回1回、決勝を見据えて取り組んだ予選でした。
――優勝賞金1000万円の使い道は考えていますか?
川瀬 昨年のマヂカルラブリーさんの優勝をきっかけに「漫才か、漫才じゃないか」論争が巻き起こったんですけど、そのときの僕のリツイートが炎上したんです。それ以来、そういった論争をよくふっかけられるようになりました。なので、その人たちに僕がお金を払って出演してもらい、とことんディベートするライブを賞金の半分でやりたいと思っています。
はら 下ネタがウケる世の中にするための研究費用にしたいと考えています。
川瀬 これ、ボケじゃないですから。
はら はい、半分本気です。「動物の性器図鑑」を作るために世界旅行をしたいです。いずれは性教育も変えていきたいですね。
――「ファイナリストのなかで自分たちが一番○○だ!」と言えるものは何でしょう?
川瀬 「あきらめない気持ち」だと思います。一度は決勝でウケて、でも次の年にめちゃくちゃスベって、次は準々決勝で落ちて。(マヂカルラブリーの)野田クリスタルさんから「普通は立ち直れない」と言われましたから。ウケた後にスベるヤツってなかなかおらんので。そんななかで僕は一度も心が折れなかったので、これをぜんぶ反省にしてつないできたという意味では、誰よりもあきらめない気持ちが強いと思います。
はら (ファイナリストのなか、ではないですが)「一番の男女コンビ」。一番 “夜の匂い” のしない男女コンビですし、女性を活かしたネタもできるし、そうではないネタもできる。ファイナリストのなかでは、最も何色にでも染まることのできるコンビだと思っています!
川瀬 たしかにそうかもしれん。いいこと言ったね。
――ほかのファイナリストで意識しているコンビはいますか?
川瀬 僕はモグライダーさんですね。よくライブでもご一緒するんですけど、ネタを観ていて「今年は芝さん本気やな」と。これまでは賞レース前の舞台でも7分くらい(※M-1の制限時間は4分間)のネタをやって「調整完了!」と言って帰るという、とてもロックなコンビの印象だったんです。それが、芝さんがご結婚されて、本気になって、今年は “M-1用” のモグライダーになりましたね。僕的には “モグライダーvs.他の9組” くらい優勝候補だと思っています。
はら インディアンスです。去年、敗者復活戦という同じステージで負けたので、今年は負けたくない気持ちが強いです。別のインタビューではオズワルドと言っちゃってるんですが。
――敗者復活で勝ち上がってきたら脅威だと感じるコンビは?
川瀬 予選慣れもめちゃくちゃしていて、技術力も圧倒的にある見取り図さんが上がってくるんじゃないかと踏んでいますが、もし勝ち上がってきたら怖いのはさや香ですね。あの熱量は決勝の舞台の雰囲気に合いそうな気がするので。僕たちとカブるパッション系のネタでもありますから、怖いですね。
はら 見取り図さんです。準決勝を観ていて、ネタを仕上げてきているし、「これは決勝行った」と思っていたんで。敗者復活で上がってきたら、そのまま(優勝まで)行ってしまう可能性もあると思っています。
――今年1年を “4文字” で表すと、どんな言葉になりますか?
川瀬 「日々努力」ですね。M-1についてはサボらなかったなあと思います。まだまだ足りませんけどね。
はら (指で文字数を何度も数えながら)言葉が…引き出しないからなあ(困惑)。じょうりゅう…かいきゅう…上昇気流! よし!!
――ありがとうございます。その理由は?
はら うーーん。今年は超える超えるという気持ちだけで進んできたので、その漢字を探した結果、上昇気流という漢字が思い浮かびました!
――最後に、決勝へ向けた意気込みを一言で!
川瀬 頼むから笑ってくれ。
はら (最終決戦まで進んで)ネタを2本やりたい!!
※「M-1グランプリ2021」は今年も今田耕司・上戸彩を司会に、12月19日(日)18:34
からABCテレビ・テレビ朝日系で生放送
構成&文/松田優子
( SmartFLASH )