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吉高由里子『最愛』サスペンスなのに…恋愛ドラマ史上に残る珠玉のシーンにドキドキ

エンタメ・アイドル 投稿日:2021.12.16 11:00FLASH編集部

吉高由里子『最愛』サスペンスなのに…恋愛ドラマ史上に残る珠玉のシーンにドキドキ

 

 正直、犯人は誰でもいい。いや、厳密に言うと、大輝と梨央以外であれば誰が犯人でもかまわない。

 

 金曜日最終回を迎えるサスペンスラブストーリー『最愛』(TBS系)。

 

 製薬業界で将来を有望視される主人公の女社長・真田梨央(吉高由里子)は、15年前に起きた殺人事件に関係しており、その過去にも関連がある現在の連続殺人事件の重要参考人となってしまう。

 

 

 15年前に梨央と恋心を抱き合っていた警視庁の刑事・宮崎大輝(松下洸平)は、梨央の関与が疑われる事件を追うが、私情を挟みすぎたため規則違反を犯し、捜査から外されてしまう。真犯人はわからないままだ。

 

 本作は殺人事件というサスペンス要素と、大輝と梨央の恋愛要素を絶妙なバランスで融合させているのだが、個人的には恋愛要素重視で視聴しており、2人が正式に恋人となって幸せに暮らしていくというハッピーエンドを望んでいる。

 

 そのため真犯人が誰なのかというのはさほど気にしていないのだが、大輝と梨央、どちらかが真犯人だったというオチだけはやめてくれと痛切に願っているのである。

 

■吉高由里子と松下洸平に真犯人説が急浮上したワケ

 

 というのも、先週放送の第9話終了時点で、真犯人になりそうな人物は何人かいるものの、最終回1話前にして大輝犯人説、梨央犯人説が一気に匂わせられたのだ。

 

 15年前の殺人事件では、梨央の父が死体を遺棄したのだが、父に協力した共犯者候補に大輝が急浮上。9話ラスト、大輝は富山県警で刑事をしている大学時代の後輩から、「15年前、あの台風の夜。本当は事件の現場におりましたよね?」と詰問を受けたのだ。

 

 死体遺棄の共犯者が左利きであることは以前から示唆されており、確かに大輝も左利き。けれど準主役の大輝にはこれまで怪しい言動はほぼなかったため、多くの視聴者が唖然としたに違いない。

 

 先々週放送の第8話のラストでは、梨央が最も信頼している弁護士・加瀬賢一郎(井浦新)が真犯人かもしれないと思わせる演出がされたものの、第9話冒頭であっさりその疑惑が晴れるという手法を取っていた。だから第9話ラストの大輝犯人匂わせも、視聴者を引き込ませるためのミスリードだと信じたい。

 

 一方、第9話では梨央にも疑惑の目が向けられる演出があった。

 

 かつて梨央が好きだったというたまごサンドを母から手渡されるも、梨央は思い当たるフシがないように「えっ」と驚く。そのままカメラはガラスに映る梨央にフォーカスしていくという違和感ある演出があったのだ。思い返せば、以前から梨央に記憶障害があるような描写がたびたび挿入されている。

 

 また、公式サイトなどで使われている12人の主要キャストが写ったメインビジュアルでは、他の11人は片手で顔を覆っているが梨央だけが両手。ドラマ放送前から公開されているイメージビジュアルには、正面を向く梨央と背中合わせで横を向く梨央という “2人の梨央” が意味深に並ぶ。

 

 これらの考察から、梨央が二重人格で真犯人だという説も否定できないのである。

 

 ちなみに、大輝や梨央が犯人だったという真相だけは勘弁と思っている立場としては、梨央の兄あたりが真犯人だと腹に落ちる。

 

 梨央の兄は、優秀な妹に嫉妬心を抱く傲慢・自己中なキャラ。梨央に敵対心むき出しで食ってかかるだけでなく、離婚した父を「逃げたクズ」呼ばわりしてディスっていたことも。

 

 だが、梨央や父に対する悪態は真実を隠すための演技で、実は梨央にも父にも深い親愛の念を抱いており、家族を守るために手を汚していた。つまり、兄による “最愛” の家族のための犯行だったという真相であれば、物語的にもきれいにまとまるだろう。

 

■悲恋フラグの「電車」を逆手に取った珠玉のシーン

 

 とにかく、大輝と梨央が犯人でなければ他の誰が真犯人でもかまわない。

 

 本作は恋愛ドラマとしてもかなり名シーンが多いのだが、恋愛コラムを生業にしている筆者が特に推したいのは、第8話で大輝と梨央が線路脇の道をとぼとぼと歩くシーン。

 

 大輝が「2人で考えんか? これからのこと」とまるでプロポーズのような言葉を伝え、「私も同じこと思っとった」と梨央も応える。梨央は、事件が解決し、目標の薬の開発が成功してからだと伝えるが、そんなとき電車が横を通り、なにか言いかけた大輝の言葉が轟音に掻き消されそうになり……。

 

 恋愛ドラマにおいて、恋仲の男女を引き裂く舞台装置として電車が登場することは往々にある。勇気を振り絞ったせっかくの告白が電車の騒音で聞こえないという展開以外にも、踏切の遮断機に阻まれている間に相手が去ってしまうなど、悲恋フラグに使われがちだ。

 

 けれど、『最愛』ではそういった恋愛ドラマのセオリーを逆手に取ったのである。電車の騒音で言葉が掻き消されそうになるも、大輝は負けじと声を張って、「先のこと! 先のこと考えたい相手は他におらんでっ!!」と念を押すのだ。大輝の男らしい宣言にクスッと笑う梨央。

 

 筆者が女だったら大輝に抱かれたい。上質な “最愛” シーンに、年甲斐もなくドキドキした。

 

 金曜日放送の最終回。恋愛ドラマ史上に残る珠玉のシーンを演じた2人が、悲恋で終わってほしくない。そう切に願いながら視聴することになりそうだ。

 

●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

 

( SmartFLASH )

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