2021年10月から2クール連続で放送されているドラマ『真犯人フラグ』(日本テレビ系)は前半が終わり、折り返しを迎えた。
劇中で意図がみえない “奇行” を続ける「菱田朋子」役を演じるのは、女優の桜井ユキ(34)だ。
1月12日に俳優の黒羽麻璃央(28)との結婚も発表し、公私ともに絶好調の彼女に、その “怪演” ぶりについて話を聞くと、こう笑って話していた(インタビューは2021年12月末におこなわれた)。
【画像あり】最旬女優・桜井ユキ。発売中の写真集では、美しいボディを大胆に見せたカットも……】
「怪演をしているつもりはないんです。視聴者の方に『怖い』『気持ち悪い』と思っていただければ、十分です」
毎週、『真犯人フラグ』の放送後には、ネット上で犯人を当てようと “考察合戦” が繰り広げられている。敵か味方かはっきりしない「菱田さん」は物語のカギとなる存在だ。
「監督からは『楽しんで演じてほしい』と伝えられたのですが、台本どおりに演じて “ただの奇妙な人” では終わらせたくないんです。お芝居にリアリティがなくなると、つまらないものになってしまいます。ちゃんと血が通った人物にしようと、毎回の撮影で意識しています」
桜井の女優デビューは24歳だった。10代から活動を始めることも多い芸能界では “遅咲き” の部類だろう。
「小学生のころから女優になりたいと思っていました。高校卒業後に一度上京するんですが、すぐに地元の福岡に戻ってしまったんです。
いま思えば、20歳ごろの私は無邪気に成長しただけの人間。
だから、何も準備せずに女優になっていたら、いまみたいにお仕事をいただけなかったと思います。『もっと早くデビューすれば』と考えたことも、焦ったこともありません」
ただひとつ悔いが残るのは「学生服で芝居ができなかったこと」だという。
「学園モノで青春したかったです。一度だけ、27歳のときに撮影した映画『リアル鬼ごっこ』で制服を着たことがあるんですが、そのときはもうルンルンでした(笑)」
個性の強い役を演じることが多い彼女。役柄のテンションに飲み込まれ、撮影期間中にエネルギーを使い果たす経験を何度もしたと話す。
「数年前までは、役と素の自分との切り替えがうまくできなかったんです。でも、いまはお笑い番組を楽しむことが気分転換の『スイッチ』になっています。
家に帰ったらまず、テレビをつけるんです。お笑いや芸人さんが大好きなんですが、人が笑っているのを見ること自体がすごく好きで。番組を観て笑っているうちに『ああ、今日の仕事が終わった~』と思えますね。どんなに遅く帰っても、お笑い番組を観て、お風呂に入って寝るのがルーティン(笑)。
千鳥さんが大好きで『相席食堂』(朝日放送テレビ)を繰り返して観ています。いつか、そういう番組に出てみたいです」
まさにそのオン、オフを感じるのは、デビュー10周年で出した初写真集だ。出生地の大分県、育った福岡県での撮影で見せる自然な表情から、“スイッチ全開の桜井ユキ” まで、存分に披露している。
「いままで考えたことがなかったんですが、『何か、いまの自分を形として残したい』と思っていたとき、写真集という素敵な提案をいただいて決めました。
すごく嬉しくてありがたいことなんですが、お褒めの言葉をいただけるのはちょっと恥ずかしいというか……。頭をポリポリかいて照れながら、隙間から反応を窺っている感じです。でも、大胆な衣装の写真を見られて、恥ずかしいという気持ちはないんです」
演技では「髪型やメイク、衣装に引っ張られるタイプ」なのだという。一方、写真集の撮影では「役というフィルターがかかっていない “素っ裸の桜井ユキ” を『どう動かせばいいんだろう』と、まず考えてしまいました」と桜井は話す。
では、“女優” という役から解放された彼女自身とは――。
「そうですね……お酒は強いみたいです。自分ではわからないんですが(笑)。日本酒と(CM出演の)お仕事をいただく前から、ジンが好きです。誰かとご飯に行って飲むことが好きですね。
飲んで顔が赤くなる女性はかわいらしいですよね。あこがれているんですが、コロナで飲みに行かなくなったぶん、私も少し弱くなったかな? 酔いが顔にぜんぜん出ないタイプだったので……(笑)」
その願望を話す “素顔” が、かわいらしい女性そのものでした。
さくらいゆき
1987年2月10日生まれ 福岡県出身 2011年に24歳で芸能活動を開始。2019年に『だから私は推しました』(NHK)で連続ドラマ初主演をはたすと、『イチケイのカラス』(フジテレビ系)など、毎クールのように話題作へ出演している。「ジャパニーズジン 翠」などCM出演も多数