「好きな野鳥はオナガ、カワセミ、メジロ、イソヒヨドリ。見たい野鳥はツミとチュウヒ。アカショウビンも一生に一度は見たいですね」
そう野鳥愛を語るのは芸人のレイザーラモンRG。あるあるネタやものまねで知られる彼は、筋金入りの野鳥マニアでもある。
「バードウオッチングは毎日しています。ロケ先や仕事の往復での5分程度の時間でも気軽に楽しめるのがこの趣味の魅力です。最近は地名を聞いただけで鳥と結びつけちゃうほどです。『明日のロケ先は八王子か。近くにハシボソガラスがいるかもな……』とか」
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2006年からは「公益財団法人日本野鳥の会」に入会。同会は、1934年(昭和9年)に創立された、日本最古にして最大の自然保護団体。創立メンバーには、北原白秋や柳田國男など、各界著名人が多数いた。全国に支部・連携団体は全86カ所、会員数、サポーター数は総数で約5万人になる。
実はRG、すでに在籍15年のベテラン会員だ。そんなRGの野鳥観察の流儀とはーー。
「野鳥ファンは鉄道ファンにも似ていて、楽しみ方が細分化されています。野鳥の楽しみ方には『撮る』『見る』『鳴き声を聴く』などがありますが、僕は趣味として無理なく続けるために撮影はあきらめたんです。今は鳴き声を聴くのがメインで、鳥の姿を見られたらラッキーという感じで気軽に楽しんでます。
バードウオッチングというより、バードリスニング要素が強いですね。都内近郊での野鳥観察に最適な時間帯は、鳥の活動時間である夕方か朝。お勤めの方でも、通勤中に楽しめる趣味だと思いますよ」
また、「釣りに似た要素もある」と分析するRG。
「天気、潮位、季節、場所などに左右される部分は釣りにも似ています。たとえばカワセミを見たいと思ったら、カワセミの生息域の水辺に行き、そこで何時間もひたすらカワセミの姿と声を探すんです」
スポーツとしての側面もあるという野鳥観察。野鳥観察団体がおこなっている競技に、『バードソン』なるものがある。
「バードソン」とは、バードウオッチングとマラソンを組み合わせた競技。4人一組で決められた時間内に発見した野鳥の種数を競うのだ。
「競技の参加経験はありませんが、日々の野鳥観察はゲーム性もコレクション性も兼ね備えていると思います」
芸能界に野鳥仲間はいるのだろうか。
「音楽家の蔦谷好位置さんがバードウオッチング仲間。一緒に郊外で鳥探しツアーをしたこともあります。ただ、ほかの吉本芸人にも話したのですが誰も興味を持ってくれなかった。みんなキャンプとかアウトドアは好きでも、野鳥には興味がないみたいです」
RGは、一人で毎日野鳥観察を楽しんでいる。
「雨の日だけはお休みで、365日続けています。見たい野鳥を見つけた瞬間は最高に幸せですし、鳴き声を聴くだけでも楽しい。同じ場所にいた鳥も、急にいなくなったりするし、鳴き声が同じでも同じ個体とは限らない。自宅の近所で聴こえるメジロの鳴き声も、今日で最後かもしれない。野鳥って一期一会の世界でもあるんです」
野鳥観察を続けるうちに、肉体にも大きな変化が生まれたという。
「耳が進化しました。普通の人には聴こえないレベルで鳥の声が聴こえるようになったんです。ラジオ出演したとき、中継先の人の周囲の鳥の声が聴こえたんです。『いま、レポーターさんの後ろにヒヨドリがいますね』と…。知らない間に聴覚が研ぎ澄まされていましたね」
野鳥好きとして大きな夢もある。
「自然を守らないと、野鳥がいなくなってしまいますから、野鳥を守ることに、これからの生涯をかけたいんです。だから日本野鳥の会の役職に本気で就きたいんです。そういう責任を負うことで、自分自身が自然保護により真剣に取り組める。将来は、かつて野鳥の会会長だった柳生博さんのような晩年を送りたい。柳生さんのように、大自然の中に住み、野鳥の声を聴きながら余生を過ごしたい!」