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15歳にして芸歴14年 女優・豊嶋花が語る「子役の親離れ・子離れ」

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.02.23 06:00 最終更新日:2023.02.23 06:00

15歳にして芸歴14年 女優・豊嶋花が語る「子役の親離れ・子離れ」

豊嶋 花(写真・宮本賢一)

 

 圧倒的な演技力と存在感で、今まで出演した作品は約70本以上。女優・豊嶋花の親離れ・子離れのときとは-。

 

■「豊嶋花です。私の名前はお花の花なので、大きくなったらお花屋さんになりたいです」

 

 手で花の形を作りながら、大きな声で披露してくれた自己紹介は、彼女が幼きころ、オーデションを受ける際の挨拶だったという。お花屋さんになりたかった花ちゃんが、今や15歳。すっかり花さんと呼ぶに相応しい女性に成長している。

 

 

――女優さんではなくって、本当にお花屋さんに?

 

「実は今でも、女優という職業が一生のものとは思っていなくって。世の中何があるかわからないので、もしかすると本当にお花屋さんになるかもしれません(笑)」

 

――では、初めて女優さんというお仕事を意識したときのことを覚えていますか?

 

「小学校5年生のとき『トットちゃん!』(テレビ朝日系)という作品に出演したときです。実はそれまで演技レッスンというものを受けたことがなくって。だから母が演じてくれたものを真似して演じるといったように、ずっと親子で取り組んでいました。でもこの作品では、初めて1人で役作りをしたんです」

 

――それは、誰かにそう言われて?

 

「いいえ、オーディションの話が来たときに『この役は絶対にやりたい!』と思ったんです。それで撮影がすべて終わったときに、今までにない達成感をすごく感じて『この達成感をもっと味わいたい』ってなりました。それに、監督がめちゃくちゃ怖かったんですよ。当時の日記にも『ガチ怖い』みたいな事が書いてあって(笑)。その監督が、撮影が終わったときに『花でよかったよ』と言ってくれて。叱られた後に、頑張った結果を褒めてもらえるのって喜び100倍ですよね」

 

――お母様からしたら、すごく寂しいことだったのではないでしょうか。

 

「本当は寂しかったかもしれませんけれど、そのときは『これで楽になる』って言っていました。今でもセリフ覚えを手伝ってもらったりするので、まだまだ頼っている部分はあります。でも思い返してみると、そのときよりも、中学生になって現場に同行しなくなったときのほうが寂しがっていたかもしれません」

 

――いいタイミングで、お互い親離れ子離れができていますね。

 

「もちろん今でも『これ手伝わなくていいの?』『いいの、手伝わなくって!』というやり取りはありますよ。『ちょっとうるさいな~』みたいな感じで(笑)。喧嘩もすごくしますし。でも、母には何でも包み隠さずに話せるし、母も自分が若いころの話をしてくれたりする、友達親子という感じですかね」

 

■特別な存在だったわけではなく、特別な経験をさせてもらっただけ

 

――そんなにお母様と花さんの仲がよいと、ほかのご兄弟からやきもちをやかれたりしそうです。

 

「兄が2人いるんですけれど、やきもちよりも『花は小さいころから、人よりもいろんな経験ができて羨ましい』って言われます。それって、小さいころから仕事をしているから特別なんじゃなくって、その特別な経験が出来たことが素晴らしいってことなんですよね。

 

 そういえば、この前久しぶりに、家族5人揃って車で旅行に行ったんです。全員揃うのは本当に久しぶりで。それが、私たちが成長しているので、我が家の車が大人5人には狭いということが発覚しまして。後部座席がぎゅうぎゅうだったんです。早速、お父さんが大きい車に買い替えていました(笑)」

 

――これから公開される映画『ちひろさん』で花さんが演じるオカジ役は、花さんと違って家庭に対して複雑な思いを持っていますよね。自分と違う役の設定には、どうアプローチしましたか?

 

「我が家も厳しくすべき点ははちゃんと厳しかったりしますし、重なるところがないわけではないですけれど……“オカジ”は、家庭の問題というよりも、きっと心の拠り所を探していたんじゃないかと思います。そして拠り所が見つかって、1人の人として少しずつ成長していきます。そういえば私、この作品で初めて1人でロケ地に長期滞在したんです。それで、今までいかに母にたくさんのことをしてもらっていたのかと気がつきました。食事や生活面、空いた時間にどう過ごすのかとか。当たり前にしてもらっていたことが、どんなに大変なことだったのかって気がつけて、私も少しは人として成長できたのかなって。その自分の中の変化が、作品の中のオカジの成長としてもお見せできているといいなと思います」

 

――ちなみに、将来お子さんが生まれたらどうしましょう? 同じような経験をさせてあげますか?

 

「自分自身はこのお仕事が小さいころから大好きですし、やっていてよかったと思います。でもどうだろう……多分私の子なら、きっとお芝居をすることは好きになってくれると思うんです。でも、まずはスポーツをやるとか、学校生活とかを普通に伸び伸びと過ごせるのが一番なのかなとは思っています」

 

――これから年齢的にも役柄の幅が広がっていくと思いますが。

 

「もちろん王道のヒロインもやってみたいです。今までが割とストレートなアプローチの役作りが多かったので、もっと複雑な役に挑戦して、演技のテクニックを上げていきたいです。ジャンルでいうとミステリー、湊かなえさんが大好きです。漫画でも『これ実写化するとよいな』と思う作品がたくさんあるので、これからどんな役と出会えるか私自身も楽しみです」

 

 女優・豊嶋花は成長を止めない。これからどんな一面を見せてくれるのか、見ているこちらも楽しみでしかない。

 

とよしま・はな
2007年3月27日生まれ 東京都出身 主な出演作として、NHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』『あまちゃん』『ごちそうさん』、NHK大河ドラマ『八重の桜』、『昼顔~平日午後3時の恋人たち』(フジテレビ)、『トットちゃん!』(テレビ朝日)、『青のSP-学校内警察・嶋田隆平-』(フジテレビ)、映画『外事警察 その男に騙されるな』『真夏の方程式』『恋妻家宮本』ほか多くの話題作に出演。2021年に放送された『大豆田とわ子と三人の元夫』(カンテレ・フジテレビ)で一躍注目を集め『第34回フジテレビヤングシナリオ大賞 瑠璃も玻璃も照らせば光る』(フジテレビ)ではドラマ初主演を務める。2023年にはNHK大河ドラマ「どうする家康」、2月23日(木・祝)NETFLIX全世界配信&全国劇場公開の映画『ちひろさん』に出演。

 

写真・宮本賢一 取材/文・かわいゆうこ 構成・SUPER MIX

( SmartFLASH )

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