ポイント交換でYOSHIKIに直接会える! ただしニューヨークまでの旅費は「自腹」
「おもちゃ取り放題」もそうだが、最近、目につくのが「体験型」だ。ふるさと納税の返礼品などでも体験型のものが増えているが、この流れは、クレジットカードのポイント交換にもあるという。
「体験型は、高級系のカードで増えている感じがします。大丸松坂屋カードでは、大丸松坂屋ポイントのほかに『QIRA(キラ)ポイント』というものがありますが、2022年はこのQIRAポイントで交換できるものに、サッカー日本代表の堂安律選手と過ごせるキッズイベントがありました。こちらは抽選ではありましたが、必要なポイントは1000ポイントとお手ごろでした。じつは私の子供も参加しています。
同じく抽選ではありますが、プロゴルファーとラウンドできるゴルフのプロアマトーナメントの出場権もありました。こちらは2万ポイントでした」
ほかにも2023年は、桜で有名な京都の仁和寺での『香盛(こうもり)』と『写経』を体験できたり、京都の夏の風物詩でもある祇園祭の山鉾巡行を特別席で観覧できたり、といった“特別体験プログラム”が用意されている(ともに応募期限あり)。
アーティストやアイドルなどがデザインされた、エンターテイメント系のクレジットカードでは、こんな驚きの“特典”まであった。
「ミュージシャンのYOSHIKIさんがプロデュースするYOSHIKIカードでは、1000万ポイント貯めると、YOSHIKIさんに会えて、未発表曲を歌ってくれるというものがありました。いまは、YOSHIKIカードのホームページには掲載されていませんが、以前は記載されていたんです。ただ、会う場所も日時も、いまはYOSHIKIさん側の指定なので、『この日、ニューヨークに来てください』という形で、ニューヨークまでの旅費は自腹になります。
それでも、YOSHIKIさんに会えるチャンスはポイント交換のみですから、ファンからしたら、1500万円程度であれば、カードを利用しても安いのかもしれません。“直接会える”という特典はなかなかないんですが、でんぱ組.incと提携したでんぱ組.inc VISAカードのポイント交換では、コンサートのバックステージへの招待と記念撮影、というものもあります」
菊地さんは、今後もこういった“特別感”のあるポイント交換商品は増えていくだろう、と話す。
「たとえばJALカードでは、マイルの交換特典として『訓練施設でのCA体験』や『CAが教えるビジネスコミュニケーション講座』などがあります。また、Pontaカードのキャラクターであるポンタのグッズは、Amazonなどでも販売されていますが、Pontaポイントの交換でしか手に入らない、オリジナルのグッズがあります。
JR東日本が、East i(新幹線の線路などの設備を高速走行しながら点検する、電気・軌道総合検測車)の車内を見学できるイベントを販売しましたが、こういった体験も、今後はポイント交換の対象になっていく傾向になると思います。ポイントやマイルを貯めることでしか手に入らない、体験できない、という特別感を出さないと、ポイントを貯めるメリットがない。ポイントの価値を高めることで、どんどんクレジットカードを利用してもらおう、ということなんです。そうなると航空会社や鉄道会社など、マニア向けの“お宝”をたくさん持っている会社が有利かもしれませんね」
たかがポイント、されどポイント。クレジットカード会社は、もっとカードを使ってもらうため、日々、アイデアを出し続けているのだ。
( SmartFLASH )