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改悪ばかりが注目される「楽天ポイント」対策&知ってて損はない「改善点」を専門家に聞いた

ライフ・マネー 投稿日:2023.01.03 06:00FLASH編集部

改悪ばかりが注目される「楽天ポイント」対策&知ってて損はない「改善点」を専門家に聞いた

楽天グループの三木谷浩史会長兼社長。楽天モバイルの赤字がポイント改悪に大きく影響しているという(写真・つのだよしお/アフロ)

 

「先日、楽天カードからメールが来ました。それによれば、2023年1月5日以降、私が持っている楽天MastercardでAmazonを利用した場合、500円の利用につき楽天ポイントが1ポイントの付与に変更になる、とのことでした。これまでは、100円につき1ポイントだったので、かなりポイント付与が減ることになります。かなりの“改悪”かと思いましたよ」

 

 そう話すのは、楽天Mastercardを使っている40代サラリーマン。楽天ポイントを貯めやすいということで人気の楽天カードだが、近年、ポイント付与率の改悪が目立つという。このサラリーマンは、メールで届いた内容もそんな改悪の一環では、というのだ。

 

 

 しかし「この件については、ちょっと方向性が違う話かと思います」と語るのは、ポイント交換サービス情報の総合サイト「ポイ探」を運営し、クレジットカードなどに詳しい菊地崇仁氏。キーワードは「インターチェンジフィー」なるものだ。

 

「インターチェンジフィーとは、加盟店管理会社(アクワイアラ)が、カード発行会社(イシュア)に支払う手数料のことで、このインターチェンジフィーは、MastercardやVISAなど、国際ブランドが設定しています」(菊地氏・以下同)

 

 ここでいう「アクワイアラ」とは、Amazon(加盟店)ではなく、それを管理する別の会社。「イシュア」にあたるのは、楽天カード。この2社間で支払われる手数料を、国際ブランド(この場合はMastercard)が決めているのだ。

 

「おそらく、この手数料率が、楽天カードにとって不利に設定されているのだと思います。ほかの国際ブランドに比べて、Mastercardだけがインターチェンジフィーが低くなれば、楽天カードとしてはポイント還元した場合、利益が出ずマイナスになる“逆ザヤ”になってしまう可能性があります。それで、Mastercardだけを“狙い撃ち”のように、ポイント還元率を下げたのだと思います。おそらくネット通販全般で同じ事になっていると思いますが、Amazonだけが対象なのは、それだけAmazonで楽天カードを使う人が多いということでしょう」

 

 これまでの改悪とは、仕組みが違うもののようだ。しかしながら「楽天グループ」全体として見れば、楽天モバイルの大幅な赤字を穴埋めするためにおこなわれている、改悪のひとつといえるかもしれない。

 

 菊地氏によれば、2022年で大きな改悪だったのは、以下の3つだった。

 

「ひとつめは、楽天証券で楽天カードを利用して投資信託を購入すると、購入額の1%分のポイントが還元されていたのですが、この条件が一部、変更されました。具体的には、楽天証券の手数料率が0.4%以下のものは、ポイントの還元率が0.2%になりました。また、毎月の投資信託の残高に応じて何度でもポイントの進呈がありましたが、これが『段階的に付与』となりました。

 

 ふたつめは、楽天銀行で楽天カードの引き落としを設定していれば、ポイントが1%還元されていたのですが、これが0.5%になりました。給与や年金の振込口座に楽天銀行を指定するとプラス0.5%となりますが、指定していない場合は改悪となります。

 

 最後に、楽天グループのサービスを利用する際、ポイント還元の対象金額が『税込み』から『税抜き』に変更されたこと。これは金額が増えれば増えるほど変わってくるので、かなり大きいと思います」

 

 こうした変更に、ユーザーとして対抗策はあるのだろうか?

 

「Amazonの件ですが、楽天カードは2枚、発行することができるので、ほかの国際ブランドの楽天カードをもう1枚、作るのもいいでしょう。また、国際ブランドの変更だと手数料がかかりますが、一度解約し、新規の契約なら手数料はかかりません。

 

 楽天証券については、投資信託をSBI証券に乗り換えてもいいかと思います。投資信託を楽天証券から移管する際には、出庫手数料が1件あたり3千300円かかります。SBI証券は期間限定で、この手数料を無料にするキャンペーンをおこなっていたのですが、楽天証券が改悪を発表した直後、無料キャンペーンを恒久化すると発表しました。私も2つの投資信託を移管しましたが、手数料の6600円が戻ってきました。SBI証券は、この機会に楽天証券から、お客を取る気、満々ですよ(笑)」

 

 ただ、どうしても改悪ばかりが話題になってしまう楽天だが、菊地氏によれば、じつは“改善”も多いという。なかでも、ほかとは群を抜いておすすめなのが、ふるさと納税だとのこと。

 

「楽天市場には、買いまわりすることで得られるポイントがアップする『お買い物マラソン』があります。それをふるさと納税に利用すれば、2自治体だったら2倍、3自治体だったら3倍、10自治体なら10倍になります。さらに、楽天モバイルユーザーならプラス3倍、楽天カード所持者ならプラス2倍、0と5のつく日はプラス2倍など、うまく条件を達成させると、20倍ぐらいのポイントをもらえることも。ほかではあり得ない還元率です。また、『楽天ラクマ』のアプリから楽天ふるさと納税ができるサービスが開始しました。楽天市場アプリでふるさと納税するよりも+0.5倍分お得になり、買い回りなどのキャンペーン時には、楽天ラクマ独自でふるさと納税キャンペーンもおこなうこともあります。

 

 また『Rakuten Pasha』という、スマートフォンで事前に購入する商品を指定して、そのレシートをカメラで撮影して送信するとポイントがもらえるサービスがあります。これが、対象店舗ではカメラでレシートを撮影して送らなくても、店舗で楽天ポイントカードを提示して買い物するだけでポイントが付与されるようになり、たいへん便利になりました。こういった新しいサービスや改善点も多いので、そこもチェックしてほしいですね」

 

 ポイントの条件は、気づかないうちに変更されている場合も多い。メールやリリースなどを、こまめにチェックしておこう。

( SmartFLASH )

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