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雛形あきこ、「雛ポーズ」でグラビア界を無双した女優の今「毎回新しい発見の連続だからおもしろい」

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.04.23 11:00 最終更新日:2023.04.23 11:00

雛形あきこ、「雛ポーズ」でグラビア界を無双した女優の今「毎回新しい発見の連続だからおもしろい」

雛形あきこ

 

「家族全員、新しいお店を開拓することが大好きなんです。こちらのお店もネットでたまたま見かけて『美味しそうだね』と入りました。オリジナルの串焼きは野菜とお肉がバランスよくいただけますし、ほかのお料理もこちらでしかいただけない味。だから、地方での仕事が終わって帰ってくると、必ず家族でお邪魔します。最近は大学生の娘が女子会を開いているようです」

 

 焼き上がった串盛りを見て笑顔になる雛形あきこ。そんなに大きなお子さんがいることに驚いてしまうが、店ではどんな話をするのだろう。

 

 

「今は就職活動のことが多いです。だけど私、今まで一度も就職をしたことがないので相談されても困っちゃうんです。もっぱら聞き役です」

 

 雛形が芸能界デビューしたのは15歳、中学2年生のときだった。

 

「仲のいい友人が劇団に入ると聞き『それなら私も』という感じで入所しました。とくに『芸能のお仕事をしたい』という目標があったわけではなかったんです。オーディションを受けて、ドラマ『おべんきょう』(TBS、1992年)に受かり、女優デビューしました。何もわからず、何も知らない世界だったのでプレッシャーはなかったです。無責任に楽しくて嬉しかったです」

 

 劇団所属タレントとしては珍しく雑誌グラビアを飾った。

 

「ワンピースの水着でした。写真集の撮影でサイパンにも連れて行っていただきました。『よく知らない足立区の中学生の私を海外に連れて行き写真を撮るんだ。すごい世界だな』と驚きました」

 

 そのグラビアや写真集がイエローキャブの社長だった野田義治氏の目に留まった。

 

「雛形って本名なんです。野田さんは電話帳で自宅の住所を調べて、いきなりやって来ました。そして『ロイヤルホストで待っていますから』と。私は『これは詐欺ではないか?』と思いながらもお店に行くと、野田さんはハンバーグを召し上がっていました(笑)。そこで『芸能活動をやる意志があるなら一緒にやりませんか』とすごい熱意でおっしゃったんです。

 

 ドラマ出演を経験していた私は『自分とは違う人を演じることができるお芝居が楽しいんです』と話したら『名前を知ってもらうため最初はグラビアをやるけど、やりたいことは必ずやらせてあげる。その自信もある』と。そこまで真剣に私のことを考えてくれる方を知らなかったので、怪しさを払拭することができました」

 

 雛形はイエローキャブの一員になった。当時は細川ふみえ、かとうれいこが活躍していた。

 

「グラビアは『 “お姉さん” のもの』という感覚があったので『私でいいのかな?』と思いました。だけど1週間後にはハワイで撮影。『こんなに急に行くものなんだ』ってびっくりした思い出があります。

 

 あのころはそれほど過激な水着ではなく、ちょっと古いタイプの “ダサめ” のハイレグ水着でした」

 

 雛形の代名詞ともいえるのが「雛ポーズ」。前かがみになり胸を寄せて谷間を強調する、現在ではグラビアの鉄板ポーズだが、雛形は「偶然にできたポーズで、その名前がついていたこともしばらく知らなかったんです」と苦笑する。

 

「グラビアのお仕事をあまりやったことがありませんし、ポーズの取り方がわからなかったんです。迷っていたらカメラマンさんが『とりあえず立ったり座ったりしてみようか』とアドバイスをしてくれました。その流れのなかの偶然のポーズでした」

 

 1995年、不動のグラビア女王だった17歳の雛形に『めちゃ2モテたいッ!』(フジテレビ)への出演依頼がきた。

 

「それまでもバラエティ番組に出ていましたが『まわりの出演者さんが段取りを組んでくれる』みたいなアイドルポジションでした。このときはゲームも体当たり。『私もレギュラーメンバーだからやらなくちゃ』と多少の怪我は『多少だから』と思い、収録に臨みました」

 

 翌年から始まった『めちゃ2イケてるッ!』(フジテレビ)にもレギュラー出演。雛形はさまざまな経験をした。

 

「自分が思ってもいないところで笑いが取れるんです。たとえば、ナインティナインの岡村隆史さんをグーで殴り、かかと落としをしたシーンでは『こんなことできない』と躊躇してやったんですけど『雛形はSだ』と言われ、それが笑いにつながる。 “ギャップで取れる笑い” を知りました。それからは収録のたびに『私が求められているものはなんだろう』とバンジージャンプをするときより悩みました」

 

 2018年3月、『めちゃイケ』は終了を迎えた。雛形の出演期間は『めちゃモテ』から数えて23年になっていた。

 

「1年前に終了を聞かされて、『この番組にも終わりがあるんだ』と思いましたけど実感はなかったです。毎週、火曜日と水曜日が収録だったんですけど、『収録がなくなるのはどんな気持ちになるんだろう』と想像しようとしてもなかなか……。最後の収録はエンディングで砂浜の落とし穴にみんなで落ちて解散になる場面。収録のあとは近くのお店で打ち上げをしました。

 

 じつは『めちゃイケ』って、今まで一度もメンバーで飲みに行ったり打ち上げをしたことがなかったんです。寂しい雰囲気はなかったですね。『じゃ、明日もよろしく』みたいなテンションで、最後の挨拶はメンバーではないのに来ていた品川庄司の品川(祐)さんでした(笑)」

 

 数週間後に「もう『めちゃイケ』はないんだ」と寂しさがこみ上げてきたという。

 

「番組などでメンバーと会うと懐かしい親戚に会ったようで嬉しくなります。『私はこの顔に会いたかったんだ』って」

 

 野田氏は雛形と交わした「やりたいことは必ずやらせてあげる」という約束を果たした。

 

 雛形は女優として着実にステップアップしていった。初主演ドラマ『闇のパープル・アイ』(1996年、テレビ朝日)をはじめ、多くの作品に出演した。彼女に印象深い作品を聞くとドラマ『ストーカー・誘う女』(1997年、TBS)を挙げた。

 

「好きな男性にストーカーをする役で、観た方の多くが『すごく怖い』という感想をお持ちでした。だけど、演じた私は『怖さ』を意識していなくて、『好きな相手に好きでいてほしい』という純粋な思いだけでした。演じる私と観ている方の受け止め方の違いがこんなに大きいことに驚いたんです」

 

 今年も舞台、ドラマ、映画の出演予定が目白押しだ。

 

「いつも『こんなにおもしろい役があるんだ』って新たな発見をしています。次の作品もきっと、もっと発見があると信じています」

 

 雛形あきこは今、女優を楽しんでいる。

 

ひながたあきこ
1978年1月27日生まれ 東京都出身 15歳からグラビア活動を始め、1992年『おべんきょう』(TBS)で女優デビュー。1994年に「フジテレビビジュアルクイーン」に選ばれ、1995年には『笑顔の予感』で歌手デビュー。おもな出演ドラマに『闇のパープル・アイ』『ストーカー・誘う女』などがある。特技はピアノ、日本舞踊。音楽劇『精霊の守り人』(7月29日~8月6日・日生劇場)にトロガイ、二ノ妃の二役で出演予定

 

【博多野菜巻き串 ミカタ】
住所/東京都目黒区碑文谷6-7-3インクルール学芸大ビル1階
営業時間/18:00~24:00、日曜・祝日は17:00~23:00
定休日/不定休

 

写真・野澤亘伸、福田ヨシツグ
スタイリスト・浅川久美
ヘアメイク・松田麻由子

( 週刊FLASH 2023年5月2日号 )

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