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坂本冬美の『モゴモゴ交友録』横山 剣さんーー硬派で無口……のイメージと違って “優しさオーラ” 全開のカッコ渋い男

エンタメ・アイドル 投稿日:2023.06.10 06:00FLASH編集部

坂本冬美の『モゴモゴ交友録』横山 剣さんーー硬派で無口……のイメージと違って “優しさオーラ” 全開のカッコ渋い男

坂本冬美、横山 剣

 

 これは、2019年に出させていただいた『俺でいいのか』の宣伝会議……といっても、マネージャーとわたしの雑談のようなものですが(笑)、そのなかで交わされた会話です。

 

「年上で、カッコいい男の人といったら、誰を思い浮かべます?」

 

「う~~~~ん。いっぱいいすぎて、一人に絞るのは難しいなぁ」

 

 先輩に気を遣っているわけじゃありません。これは本音です。真実の声です。

 

 

「だったら、年上でカッコよくて、プラス、渋い男性ならどうですか?」

 

 おっ。ぐぐっと範囲が狭まってきたような。でも、もうひと声!

 

「じゃあ、年上でカッコよくて、渋くて男の色気がある男性……で、どうでしょう?」

 

 いいぞ、いいぞ、いいぞぉ。だいぶん絞れてきたぞぉ。おまけに、もうひと声!!

 

「わかりました。いいですか、これが最後ですよ。年上でカッコよくて、渋くて男の色気があって、理想に近い男性といったら……さあ、どうです?」

 

 まるでバナナの叩き売り状態ですが、 “うんそれだね、それがいい” というアイデアは、得てしてこんな会話からひょいと生まれてくるものなんです。

 

 このときもそうでした。そもそもの始まりは、『俺でいいのか』のプロモーションビデオ……演歌の世界では、そう呼ぶ方が多いんですが、今はミュージックビデオですね、それを制作するにあたって、誰にお願いしようかというのが出発点でした。

 

 手前味噌で恐縮ですが、『俺でいいのか』は、恐れ多くも、美空ひばりさんの『おまえに惚れた』をイメージして作ってくださいとお願いして出来上がってきた素敵な曲です。歌っているうちに、心がほっこりとしてくる幸せ演歌です。

 

 男と女。わずかに空いたその隙間を埋めるように寄り添う2人……その繊細な機微を、艶を、背中で演じてくださる、年上でカッコよくて、渋くて男の色気があって、理想に近い素敵な男性……。パッと思い浮かんだのが、クレイジーケンバンドの横山剣さんです。

 

 剣さんとは一度、テレビの音楽番組で『タイガー&ドラゴン』を一緒に歌わせていただいたことがありますが、ほんのちょこっとだけで、がっつり絡むのはこのときが初めてでした。

 

 わたしがイメージしていた剣さんは、硬派で無口で、間違っても冗談なんて言わない人です。でも、実際に撮影スタジオでお会いした剣さんは、とっても優しい方で。撮影中、わたしはずっとその剣さんの “優しさオーラ” に包まれていたような気がします。

 

「えっ!? もう1回撮る? もう、いいんじゃないかな……モゴモゴモゴ……」

 

 監督の声に、ぶつぶつ文句を言うわたしとは大違い。あーしてください、こーしてくださいというリクエストに、嫌な顔ひとつせず、OKが出るまで何度でも応えてくださって。本当に素敵な、素敵すぎる剣さんでした。

 

 その後、大阪のMBSラジオが主催する音楽イベントでご一緒させていただいたときは、『3年目の浮気』をデュエットして。なぜ『3年目の浮気』だったのか? そこは謎ですが、でも、お話をいただいたとき「やった!」「嬉しい!!」と、心がぴょんと飛び跳ねたのを覚えています。

 

 次にこういう機会をいただけたときは、横山剣さんが歌っていらっしゃる世界観の曲を、デュエットしたいと思っています。そのときは、どうぞよろしくお願いします!

 

さかもとふゆみ
1967年3月30日生まれ 和歌山県出身 『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。現在、著書『坂本冬美のモゴモゴモゴ』(小社刊)が発売中!

 

写真・中村 功
取材&文・工藤 晋

( 週刊FLASH 2023年6月20日号 )

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