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『セクシー田中さん』木南晴夏に感化された “性格の悪い女” 生見愛瑠が最高…「年の差」友情物語として秀逸

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2023.11.05 11:00 最終更新日:2023.11.05 11:00

『セクシー田中さん』木南晴夏に感化された “性格の悪い女” 生見愛瑠が最高…「年の差」友情物語として秀逸

 

“性格の悪い女” の友情は、本当の意味で美しい。そう思えるドラマだ。

 

 先週日曜に第2話まで放送されている『セクシー田中さん』(日本テレビ系)。これまでバイプレイヤーとして活躍してきた木南晴夏が、ゴールデン・プライムタイム帯の連ドラ初主演を務めるドラマである。

 

 主人公・田中京子(木南)は、仕事を完璧にこなす経理部のアラフォーOL。だが、メガネをかけた地味なタイプで、これまでに一度も友達も恋人もできたことがなく、社内では変人扱いされて浮いている。

 

 

 一方、田中の後輩の派遣OL・倉橋朱里(生見愛瑠)は、コミュ力が高い愛され女子。けれど、若くてかわいいことしか自分に価値はないと思い込んでおり、人生に虚しさと生きづらさを感じつつ合コンに明け暮れていた。

 

 そんな一見すると正反対の2人。だが、朱里は偶然訪れたペルシャレストランで、エキゾチックなベリーダンスを踊るSaliの姿に惚れ惚れして夢中に。実はSaliの正体は田中で、朱里はその事実に気づき、田中=Saliの熱烈なファンになるのだった。

 

■公式サイトでは「ラブコメディー」となっているが…

 

 ショーではベリーダンサーとして堂々とセクシーに踊っているものの、田中は陽キャなわけではなく、根っからの陰キャで、ベリーダンスを始めたのも背筋を伸ばして生きて、新しい自分に生まれ変わっていくため。

 

 朱里は、田中の我が道を行く生き様に惹かれている。この物語は、そんな2人が自分の幸せを自分で見つけていく成長ドラマなのだろう。

 

 公式サイトなどでは本作のジャンルは「ラブコメディー」となっている。

 

 実際、2人のまわりには、軽薄そうでチャラい商社マン、堅物で口の悪い商社マン、都合よく現れる大学時代の男友達、既婚者ながら全女性を愛するというペルシャレストランマスターなど、クセが強い男性キャラがズラリ。

 

 田中と朱里はこの男たちと恋愛展開になっていくようなので、ラブコメディーであることは間違いない。

 

 ただ、筆者はとても良質な「女の友情(シスターフッド)」を描いたコメディーだと思っている。

 

■生見愛瑠の豹変っぷりや陰湿な復讐劇がたまらない

 

 第2話では、地味モードの田中と知り合った堅物商社マンが、ベリーダンサー姿の田中を見て、「あんたいくつだよ、オバサンが。なんつー格好してんですか、痛々しい。よくそんな格好して人前で踊れますね」と暴言を吐くシーンがあった。

 

 それを横で見ていた朱里が大激怒。その場で堅物男に食ってかかるもそれだけでは飽き足らず、復讐を計画するのである。

 

 堅物男の友達であるチャラ商社マンから弱点を聞き出そうとするのだが、なぜそんなことを知りたがるのかと尋ねられた朱里は、「もちろん悪用します~許せないんで~」と不敵な笑みを浮かべる。

 

 その後、朱里は、堅物男の好みのタイプの天然悪女を紹介して振り回させて、撃沈させることに成功するのだった。

 

 これまでずっと愛され女子を演じ続けていた朱里が、暴言吐きまくりの性格の悪い女に豹変するのだが、それが田中のためというところがグッとくる。

 

 朱里は、基本的に自分に対しては何を言われようが、愛され女子の仮面をかぶり続けてヘラヘラとやりすごしていたのだが、大好きな人のためにその仮面を脱ぎ捨てて徹底的に復讐したというわけだ。

 

■「年の差の女の友情物語」で深キョンドラマに圧勝?

 

 朱里はとんでもなく性格が悪いが、友達のために復讐の鬼に徹することができるなんて、めちゃくちゃいい奴。そして、この復讐劇は、朱里が今までの自分の殻を破って成長したことも意味しており、それは田中からいい影響を受けたからこそなのだろう。

 

 コメディーながら涙腺が刺激される展開だった。

 

 だから、この作品は、公式としてはラブコメディーと銘打たれているが、田中と朱里がそれぞれ今までの自分をブレイクスルーしていくドラマであり、一見正反対な2人の友情が結ばれていくドラマなのだと思う。

 

 そういえば前クールに、福原遥と深田恭子のダブル主演作『18/40~ふたりなら夢も恋も~』(TBS系)というドラマがあった。こちらは18歳と40歳の年の差を超えたシスターフッドの物語と銘打たれていたが、『セクシー田中さん』も40歳の田中と23歳の朱里という年の差の友情が描かれているので、類似点がある。

 

 あくまで個人的な意見だが、『18/40』のほうは押しつけがましい友情演出やお涙頂戴な展開が胸焼けぎみだったので、年の差の女の友情物語としては『セクシー田中さん』が圧勝していると感じた。

 

 今夜放送の第3話でも、田中と朱里の絆がどんどん強くなっていくところに注目してもらいたい。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中

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