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劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』最速批評! 闇落ちした前作の主人公は!? 最終話でモヤモヤした人こそ観るべき3つの理由

エンタメ・アイドル 投稿日:2024.01.28 06:00FLASH編集部

劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』最速批評! 闇落ちした前作の主人公は!? 最終話でモヤモヤした人こそ観るべき3つの理由

本作の制作が発表されたのは2006年。完全に企画が頓挫したかと思われていた時期もあったが、ついに公開!

 

 ひと言で言うと、ヤバいぐらいおもしろい。

 

 とにかくサービス精神旺盛で、めちゃくちゃエンターテインメントしている映画だった。

 

 1月26日(金)から公開を開始した、『ガンダムSEED』シリーズの集大成ともいえる完全新作の劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』のことである。

 

 

 筆者は1979年に誕生した『機動戦士ガンダム』と同い年。幼少期にテレビで『機動戦士ガンダム』の再放送と、『機動戦士Ζガンダム』(1985年)をリアルタイムで観て以来のガンダムファンだ。

 

 そんな筆者が公開初日に『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』を自腹で鑑賞してきたのでレビューさせていただくが、先に言っておくと、ここから先、かなり大絶賛することになる。

 

 だが、あまりにヨイショしすぎているからといって、“案件”だとか“提灯記事”だとか疑わないでほしい。『ガンダム』シリーズファン、『SEED』シリーズファンの純粋な気持ちをつづらせていただく。

 

 ちなみに、ネタバレは最小限になるよう努めているが、本作の魅力を伝えるうえで多少のネタバレはせざるを得ないので、ご了承いただきたい。

 

『ガンダム』の“中興の祖”といわれるほど大ヒットした『SEED』シリーズ

 

『SEED』シリーズについて簡単におさらいしておこう。

 

『ガンダム』シリーズの“中興の祖”ともいわれるほど大ヒットした『機動戦士ガンダムSEED』(2002年~/全50話)と、続編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』(2004年~/全50話)からなる『SEED』シリーズ。

 

 シリーズを通じて、遺伝子調整していない普通の人類「ナチュラル」の地球連合軍と、遺伝子調整している人類「コーディネイター」のザフトの争いを描く。

 

『SEED』は、なりゆきで地球連合軍のモビルスーツ(MS)パイロットとなってしまうキラ・ヤマトが主人公。続編『DESTINY』は2年後が舞台で、志願してザフトに入隊し、エースパイロットとなったシン・アスカが主人公。

 

 さらに、2年後が舞台となる今作『FREEDOM』では、キラ・ヤマトが主人公となっている。

 

 じつは、劇場版制作が発表されたのはさかのぼること18年前(2006年)で、紆余曲折を経てようやく公開にこぎつけたため、ファン垂涎の完全新作なのである。

 

【観るべき理由(1)】THE集大成! ファンサービスたっぷりの“お祭り”映画

 

 では『FREEDOM』について語らせていただく。

 

 まず、『FREEDOM』は『SEED』シリーズの集大成といえる作品なのだが、シリーズのファンへ向けての“お祭り”感がハンパなかった。18年間待っていたファンに向けて、福田己津央監督からの感謝の気持ちがたっぷり詰まっていると感じた。

 

 誤解を恐れずに言うなら、大筋のストーリーに意外性はない。

 

 新たな敵勢力が現われて、仲間たちが一致団結して立ち向かうという王道展開。前作で敵同士だった者たちが手を取り合い、ともに戦うという少年漫画的な熱い展開もある。

 

 もちろん、細部で驚きの展開や驚きのシーンは多々あったが、わかりやすい起承転結で進む物語のアウトラインに驚きはなく、だいたい予想していたとおりだった。

 

 しかし、それがいい。

 

 超大物スターによるハリウッドの大作アクション映画のように、“ストーリーはあってないようなもの”というか、頭を空っぽにして目の前で起こるシーンを、ただただ、かぶりついて観ればいいだけ。最高だ。

 

 逆にいうと、テレビ版『Ζガンダム』や劇場版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)のバッドエンドとも思えるような衝撃や、考察の余地があるラストではないので、よくも悪くも放心状態で劇場を後にするような映画を好む人には、少々もの足りないかもしれない。

 

 ただ個人的には、やはり『FREEDOM』は、そのモヤモヤが残らないすっきりしたエンディングで“正解”だったと思う。

 

【観るべき理由(2)】MS戦も人間ドラマも激熱・胸熱! とくに前作主人公がいい

 

 冒頭から主人公たちによるフルスロットルのMS戦が描かれるのもいい。序盤から出し惜しみなくダイナミックなMS戦が展開され、一気にアドレナリンが放出される感覚だ。

 

 MS戦は序盤・中盤・終盤で、それぞれ超絶のド迫力映像が観られるが、多くのファンが抱いている「あのMSの活躍がまた観たい!」という願望がかなう展開、「そんなMSも出るんかい!」という意外性を感じられる展開になっている。

 

 そして、当然ながら本作ではMS戦だけでなく、主要キャラたちの人間ドラマも描かれていき、胸熱シーンがてんこ盛り。

 

『SEED』シリーズは登場人物が多く、主要キャラ全員に見せ場を作るのは難しいだろうと思っていたが、2時間でできるかぎり詰め込みたいという監督の気概は十分に感じられた。

 

 登場シーンが少なかったキャラもいるのだが、そのぶん出て来たときのインパクトやカッコよさで補えており、どのキャラのファンもおおむね満足できるのではないだろうか。

 

 とくに『DESTINY』の主人公でありながら、前作は途中から闇落ち展開のようになっていき、あまりポジティブな描かれ方をされなかったシン・アスカが、今回の映画では元気ハツラツで大活躍。

 

 前作ではダークサイドに堕ちていき、ずっと激怒したり鬱々したりしていた彼が、今作では終始ライトサイドの立ち振る舞いで、ばったばったと敵MSを蹴散らしていく。「『DESTINY』でもこんなシンが観たかったんだよ!」という、約20年溜まっていた鬱憤が晴れた気分だ。

 

【観るべき理由(3)】『逆シャア』など、ガンダムファンにたまらないオマージュ!

 

『SEED』シリーズは、過去の『ガンダム』シリーズの名シーンを想起させるオマージュをよく挿入するのだが、今作でもオマージュネタはそこかしこに。

 

 ファーストガンダムネタはもちろん、『Ζガンダム』、『逆襲のシャア』、劇場版『機動戦士ガンダムF91』(1991年)などのネタも盛り込まれている。もっともわかりやすいところだと『逆襲のシャア』内のシャアと、ある少女のやりとりを彷彿させる展開があり、ニヤリとするファンは多いはずだ。

 

 また『FREEDOM』ではセルフオマージュもかなりあり、『SEED』、『DESTINY』の名シーンの再現が随所に散りばめられている。そういう意味でも、『SEED』シリーズファンなら“お祭り”感覚で楽しめるのだ。

 

 ――MS戦でも人間ドラマでも、ぐいぐいと引き込まれるシーンばかりなので、アドレナリンがどばどば出っ放しの2時間となるはず。とくに前作『DESTINY』の最終話を観て、モヤモヤしたまま約20年間過ごしてきたファンこそ、絶対に観るべき映画だと断言する。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『日刊SPA!』に恋愛コラムを連載中。ほに『現代ビジネス』『文春オンライン』『集英社オンライン』『女子SPA!』などにコラムを寄稿

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